◆第107回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽準々決勝 旭川志峯9―1北見北斗=7回コールド=(15日・旭川スタルヒン)

 北見北斗が夏の甲子園10度出場の旭川志峯に敗れ、7年ぶりの4強入りを逃した。投打の要である松岡翔汰主将(3年)を中心に2019年以来の北北海道大会に駒を進めたが、頂点には届かなかった。

 トレードマークの笑顔を貫いてきた松岡の目から涙がこぼれた。「諦めない心をみんなに見せるためにもずっと笑顔でいたけど、あいさつをして、応援しに来てくれた方から歓声があがったときにこみ上げてきました」。試合終了直後は表情を崩さなかったが、スタンドにいる控え部員、保護者らの姿が目に入るとこらえきれなかった。

 13日に滝川西との1回戦で3時間超えの激闘を制し、中1日で準々決勝に臨んだ。1回から2失策と守備が乱れ3点を先制されると、3回まで3イニング連続失点。松岡が捕手から2番手でマウンドに上がり4、5回を無失点に抑えたが、6回に3安打と2四球でさらに3点を失い、勝負を決められた。

 夏初の聖地を目指した戦いは、春の全道大会に続き準々決勝で幕を閉じた。それでも、昨秋北見地区予選2回戦敗退からウェートトレーニングに力を入れ、松岡はベンチプレスのMAX値が150キロまで成長。主将、4番、正捕手、守護神としてフル回転して2季連続道大会8強に導いた。常に明るい表情でチームを引っ張った松岡の働きに鈴木收監督は「(笑顔は)彼のすばらしいところ。本当によく頑張った」と褒め称えた。

 現時点で、野球は高校限りで第一線を退く予定。

国公立大への進学を希望し、将来は公認会計士を目指す松岡は「最後まで諦めないことで結果につながってくれる。それを高校野球で学べた。辛いこともあったり、苦しいときもあったけど周りに3年生がたくさんいて、みんなが支えてくれてとても楽しい高校野球だった」と笑顔で振り返った。

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