雨天中止となった15日のヤクルト戦は荒巻悠内野手(22)が一塁で先発出場する予定だった。8日の中日戦(山形)以降、ファーストは相手先発の左右に応じて増田陸内野手(25)と荒巻の併用が続いている。

今季台頭した若手2人の競争を野手担当の内田拓希記者が「見た」。

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 室内練習場の屋根をたたく雨音に負けじと、荒巻が快音を響かせていた。7月は出場7試合で13打数7安打、打率5割3分8厘。中村優が予告先発されていたこの日は、一塁でスタメン予定だった。「(絶好調とは)全然、思っていないです」というドラ3ルーキーの言葉にも、頼もしさを感じる。

 7年目のブレイクを果たした増田陸も黙ってはいない。開幕2軍スタートながら5月上旬に一塁のレギュラー格に。岡本の離脱後は4番も務めながら打率2割6分、5本塁打、19打点と奮闘している。

 一方、対左投手の打率2割9分3厘に対して対右は2割3分8厘と大きな差があり、荒巻の台頭後は左投手の先発時に出場機会が限定されている。雨天中止となった15日を含めれば直近5試合中4戦がベンチスタートで「仕方がないとは思わない。悔しい気持ちもありますけど、練習あるのみです」と、不動の定位置奪取へ燃えている。

 

 現状は左右に合わせた併用策が機能している形だが、二岡ヘッド兼打撃チーフコーチは「一塁は2人の競争? そうですね」と明言。

左右にかかわらず、不動のレギュラーが台頭することを期待している。荒巻、増田陸はともに三塁も守れるだけに、2人が結果を残し続ければ共存できる可能性も十分にある。ハイレベルな競争が、得点力向上の推進力となるだろう。

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