智弁和歌山出身で、米ハワイ大の武元一輝投手(21)が14日(日本時間15日)、MLBドラフトでアスレチックスから19巡目(全体560位)で指名を受けた。日本人選手で指名されたのは23年の西田陸浮(Wソックス)以来史上7人目。

武元はスポーツ報知の取材に「うれしい気持ちがまず第一です。と同時に、これからスタートという気持ち。これが終わりじゃないので」と決意を新たにした。

 最速151キロ、高校通算20本塁打の二刀流選手として22年秋には日本のドラフト候補だった武元だが、智弁和歌山の中谷監督の助言もあり、将来的なメジャー挑戦を目指して“米国武者修行”を選択。サマーリーグなどで経験を積み、その後ハワイ大で成長を重ねてきた。MLBのドラフトは4年制大学に通う選手は21歳から指名対象となり、異例の道に進んだ武元は最初のチャンスをものにしたことになる。

 今季は全米大学体育協会(NCAA)で投手としては14試合に先発し、2勝6敗、防御率6・82、67回1/3で57奪三振を記録。打者としては45試合で打率2割5分6厘、1本塁打、21打点だった。「全体的に学びの年だった。(結果的には)もっとできるなと思った。いろんなことが悔しいシーズンだった」と振り返る。今季は花巻東(岩手)からスタンフォード大に進学した佐々木麟太郎の挑戦が大きな注目を集めたが、武元の活躍次第では米大学進学が新たな流行になる可能性もある。

「全てのレベルアップが必要だと思っている」と武元。二刀流の金の卵が大きな一歩を踏み出した。

 ◆武元 一輝(たけもと・いつき)2004年4月9日、大阪市生まれ。21歳。田辺小4年から軟式の長池キングスで野球を始め、田辺中では藤井寺ボーイズでプレー。智弁和歌山では1年夏からベンチ入り。2年夏の甲子園は1試合に登板して同校21年ぶりの優勝に貢献。3年夏の甲子園は初戦敗退。190センチ、91キロ。右投左打。

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