◆第107回全国高校野球選手権大阪大会 ▽3回戦 大阪桐蔭13-0星翔=5回コールド=(15日・GOSANDO南港)

 大阪は、2年連続の甲子園出場を目指す大阪桐蔭の主将でプロ注目右腕の中野大虎(だいと、3年)が今夏初登板し、3回2安打無失点と好投した。高校の2学年先輩で、13日にプロ初勝利を挙げたソフトバンク・前田悠伍投手(19)に刺激を受け頂点を目指す。

 気合を入れ直した。3回2死、大阪桐蔭の背番号1を背負う中野は力を込めた一球でこの日5つ目の三振を奪い、先発マウンドを降りた。3回を2安打無失点。「立ち上がりから力を入れすぎず、いいくらいで投げられた」と胸を張った。

 初戦(2回戦)は同じプロ注目右腕の森陽樹(3年)が先発したため、中野は3回戦のこの日が夏初登板。「強い声かけができるところが自分の持ち味」と、主将として猛暑の中、誰よりも声を張り上げた。西谷浩一監督(55)も「根っからのキャプテン。野球以外の生活でも中野がリーダー」と絶大な信頼を置いている。

 2学年上のエースで主将だった先輩に刺激を受けた。ソフトバンク・前田悠が13日の楽天戦(楽天モバイル)でプロ初勝利。「プロの世界で投げているのを見てすごいなって。自分もその舞台で投げてみたいという思いが強くなった」とその雄姿を目に焼き付けた。

先輩とは楽しんで投げるところが似ているというが、「前田さんはピンチで抑えたら自分がヒーローになれるっていう気持ちでいると思う。自分は絶対抑えようという気持ちで投げてしまう」と余裕の持ち方を参考にしている。

 プロでの活躍を切望する中野をNPB8球団のスカウトが視察。巨人の岸スカウトは「バランス良く投げていて体の強さがあって、伸びしろがある」と高く評価した。大勝にもエースとして主将として「当たり前のことができないと、上に上がって強いチームと当たった時に足をすくわれる」と慢心はない。2年連続の聖地と、その先に広がる夢へ一歩ずつ前進する。(藤田 芽生)

 ◆中野 大虎(なかの・だいと)2007年6月18日、大阪・和泉市生まれ。18歳。5歳時に幸シーサーズでソフトボールを始め、幸小6年から大阪泉州ボーイズに所属。富秋中では浜寺ボーイズでプレー。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。2年春夏の甲子園に出場し、通算4登板で2勝、防御率0・56。

最速149キロ。変化球はスライダー、フォーク、カットボール、ツーシーム。180センチ、79キロ。右投右打。憧れの選手は阪神監督の藤川球児。趣味は一人カラオケ。

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