◆第107回全国高校野球選手権埼玉大会 ▽3回戦 滑川総合4―1浦和学院(15日・UDトラックス上尾)

 “本命”が散った。今春の埼玉王者・浦和学院が、3回戦で県立校の滑川総合に敗れた。

序盤から再三の好機を生かせないでいると、5回に4点の先制を許す。反撃も1点に封じられ、主将の西田瞬二塁手(3年)は「夏が終わってしまったんだな、と。悔しいというより申し訳ない思いです」と言葉を絞り出した。

 相手先発・石井健大郎投手(3年)は、緩い球を上手に使う技巧派左腕。昨秋の県大会準々決勝で浦和実・石戸颯汰投手の前に完封負けを喫したが、重なるスタイルだった。4番・藤井健翔三塁手(3年)は「ずっと左投手を課題にしてきた。詰めるところを詰め切れなかった」と相手より4本多い11安打を放ちながらの敗戦に、肩を落とした。

 浦和学院が3回戦までに姿を消すのは11年ぶり。あまりにも早い終戦に、森大監督(34)と西田は涙を流して抱き合った。「胸を張って帰ろう」。指揮官の声に促され、優勝候補が戦いの舞台から去った。

 ▼3度目の対戦で大金星 滑川総合が浦和学院を撃破。

滑川総合は滑川時代の98年に西埼玉代表で甲子園出場。夏の埼玉大会で浦和学院には、99年5回戦●1―3、00年3回戦●2―5。25年ぶり3度目の対戦で大金星。7回から正捕手の篠崎陽輝が救援。3回3安打無失点の好救援で逃げ切った。滝島達也監督は98年当時も滑川監督で、甲子園3回戦進出。「4番・捕手」の久保田智之(後の阪神投手)を抑えで起用し、話題になった。この日も正捕手が抑えで投げ、勝利した。

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