◆米大リーグオールスター ナ・リーグ6―6ア・リーグ(15日、米ジョージア州アトランタ=トゥルイストパーク)
史上初の「スイングオフ」で勝敗が決まった歴史的オールスター。「スイングオフ」とは、ホームランダービーのように両リーグからそれぞれ選ばれた3選手が3スイングでサク越えの数を競うルール。
3振りで3本のアーチを描いた。最後は、右膝を地面につきながらフォロースイング。打球を見送ったシュワバーは「十分距離は出たと思ったが、行け、行け、行け! と願った。最高だった」と会心の3スイング目を興奮の面持ちで振り返った。
前日から、ロバーツ監督が3人の候補者を決め、心の準備はあったが、試合展開は6回を終わって6―0と快勝モード。一旦、スイングオフの可能性は消えたと思っていたという。だが、試合は急展開。普段は練習前にケージに入るが、試合の後半からケージで打ち込んだ。
「ちょっとナーバスになった。普段、ケージではラインドライブを心掛けるのに対して、ホームランを狙って打つのは違う。
幸運だったと振り返ったのは、投手を務めたのがドジャースのディノ・エベル・コーチだったこと。WBCの米国代表で一緒に戦い、その球筋に慣れていた。
「ラッキーだった。突然、煮え湯に飛び込むような状況で、なじみのある彼が投げてくれた。どの辺に投げればいい? と聞かれて、真ん中、と言った」と、短時間の打ち合わせで、大きな仕事を成し遂げた。
「まるでサッカーのような試合の決め方。野球バージョンのペナルティーキック。チームメートやファンに応援してもらって力をもらった。他にもMVPにふさわしい選手が大勢いたけれど、ナ・リーグが勝ったことがうれしい。来年の球宴はフィラデルフィアで開催されるだけに」
異例の決着方法となったが、勝利を素直に喜んだシュワバー。自軍の本拠で行われる来年の真夏の祭典を見据えた。