◆第107回全国高校野球選手権栃木大会 ▽2回戦 幸福の科学学園9―4那須清峰(16日・宇都宮清原)
栃木では、開校、創部15年目の幸福の科学学園がドミニカ共和国からの留学生の猛打で初戦を突破した。中日などで活躍したドミンゴ・グスマン氏(50)の息子、エミール・セラーノ・プレンサ中堅手(3年)が4番で3安打4打点と圧倒的なパワーを見せつけた。
滞空時間の長い打球が、逆方向へグングンと伸びていった。幸福の科学学園の4番・エミールが今夏初打席で自慢のパワーを見せつけた。初回1死一、三塁。フルスイングで初球を捉えると、右翼手の頭上を越える先制の2点三塁打となった。勢いは止まらず2回には中前へ適時二塁打、6回にはライナーで左前適時打。3安打4打点で快勝に導き、「めっちゃ練習をして、打てました。気分? めっちゃ良いです」と笑った。
父は04年に中日で10勝を挙げるなどNPB3球団で通算30勝のドミンゴ・グスマン氏。留学のきっかけは、チームを率いる棚橋誠一郎監督(69)が、中日元監督の森繁和氏(70)と知り合いだったこと。エミールは森氏から「日本で野球をやらないか」と声をかけられ、父が躍動した日本行きを決めた。
来日直後は言葉が通じず、日本の細かい野球にも苦労したが、地道に練習を重ねた。
エミールだけではない。「3番・捕手」のユニオール・エルイン・ヌニエス・ジャケス(3年)も2本の適時打で2打点。2人で5適時打6打点と打線を引っ張った。ユニオールが「みんなを引っ張って一つになって勝っていきたい」と言えば、エミールも「まだまだ。甲子園まで行きたいです」と気合十分。来日3年目で日本語の上達も著しいドミニカ共和国からの留学生コンビが、幸福の科学学園を初の甲子園へ導く。(高澤 孝介)
▼主な高校野球留学生 97年夏の福岡大会8試合に7本塁打した林威助外野手(柳川―近大―阪神)。05年日本ハム高校生ドラフト1巡目の陽仲寿(岱鋼)内野手(福岡第一)。15年西武7位の呉念庭内野手(岡山共生―第一工大)らの台湾勢。
◆エミール・セラーノ・プレンサ 2007年11月7日、ドミニカ共和国生まれ。17歳。13歳から野球を始め、高校入学と同時に来日。最速145キロで投手も務める二刀流。50メートル走6秒5。遠投100メートル。好きな言葉は「頑張れ」。好物はすし。189センチ、107キロ。右投右打。