巨人・大勢投手(26)が前半戦の30ホールド(H)到達に挑む。現在リーグ最多タイ39登板でリーグトップの28Hとフル回転。

16日は休養日で、前半戦は17日・ヤクルト戦(神宮)と19日からの阪神3連戦(東京D)の4試合を残す。球宴前の球団歴代最多Hは12年山口鉄也の30で、1年間戦い抜けば左腕が同年に記録したシーズン同最多の44Hも見えてくる。前半戦のホールド数は「あんまり意識はしていない」とした上で、「圧投」で締める決意も示した。

 大勢がセットアッパーとして早くも節目の数字に到達しようとしている。昨季までの「抑え」から今季は「8回の男」として戦い、28Hを積み重ねてきた。前半戦中の30H到達も可能性は十分。「あんまり意識はしていないです。野手の皆さんに守ってもらったりして(ホールド数を)稼げているので自分一人の力ではないです」と冷静だが、前半戦残り4試合で「らしさ」を発揮する思いを口にした。

 「僕の持ち味は三振を取ること。相手を圧倒するピッチングを前半戦なかなかできていないので、そういったものを見せられるように強い信念を持ちながらマウンドに上がりたい」

 ここまで39登板で防御率2・15。夏場以降を見据えて3連投を避ける首脳陣の配慮もありながら、僅差の試合が多い中でフル回転してきた。前半戦での球団最多、12年の山口鉄也の30Hも視界に捉える。

残り4試合。首位・阪神との差を前半戦中に少しでも縮めていきたい中で、勝利へのバトンを授かる機会はあるはずだ。

 登板数、ホールド数はここまで高い貢献度を示すが満足感はない。今季の奪三振率8・36は決して低くないが、過去2年は11を超えていた。「毎日試行錯誤というか調子があまり上がらず、自分の軸がブレていた。結果が出たらOKとか、その日その日で迷いながらマウンドに立ったり。取り組んでることを明確にしないと成長や、持ってるものを発揮することができないと感じました」と分析。さらなる良化を目指す。

 まずは1年間を戦い抜くことだ。「シーズンを(1軍で)完走したことがないんで。(22年は)コロナにもかかっていましたので」。現在シーズン47Hペース。

1軍のマウンドに最後まで立ち続ければ、同44H(12年山口鉄也)の球団記録も見えてくる。

 「後半(戦)はもっと自分でアウトを取った、という試合を増やせるように。気を引き締め、最後までチームの力になれるようにやることやって試合に臨みたい」。けがなく進化を続け、大勢が新境地へ足を踏み入れる。(田中 哲)

 ◆大勢の過去3年間 プロ1年目の22年は新型コロナウイルス陽性判定を受けて7月19日に特例2022対象選手として出場選手登録を抹消され、8月7日に再登録。23年は6月30日に右上肢のコンディション不良で離脱し、9月16日に出場選手登録された。24年は5月4日に右肩違和感のため登録抹消され、6月30日に1軍に復帰していた。

 ◆ホールド 中継ぎ投手が同点もしくはセーブがつく条件を満たす状況で登板して1死以上を奪い、リードを保つか同点のまま降板した場合に記録される。05年から導入。最優秀中継ぎ投手のタイトルは、救援勝利とホールドの合計数で決まる。

 ◆巨人のシーズン最多ホールド(H) シーズンのホールド数最多は21年清水昇(ヤ)の50H。巨人でシーズン最多は12年山口鉄也の44H。

この年の山口は前半戦で30H。ちなみに巨人の選手でセ・リーグシーズン最多のホールドをマークしたのは山口が12年のほかに09年(35H)、マシソンが13年(40H)、16年(41H)と2人4度ある。

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