◆米大リーグオールスター ナ・リーグ6―6ア・リーグ(15日、米ジョージア州アトランタ=トゥルイストパーク) ​

 ドジャース・大谷翔平投手(31)は初回先頭で中前打を放ち先制のホームを踏むなど、2打数1安打。2打席目では右翼ポール際に大ファウルを放ち、思わず頭を抱えるしぐさを見せるなどファンを沸かせた。

9回にア・リーグが2点差を追いつき、史上初めて両リーグ3人ずつ(各3スイング)の本塁打競争「スイングオフ」が行われ、ナ・リーグが勝利した。

 試合が始まっても笑顔が止まらなかった。初回先頭、大谷の1打席目。1ボール2ストライクと追いまれながら、外角低めのスライダーに食らいつきバットの先でとらえて中前に落とし、2年連続となる球宴通算3安打目をマークした。

 昨季のサイ・ヤング賞左腕で今季も10勝を挙げ、過去9打数1安打と抑えられていたタイガースのスクバルからの安打。一塁塁上では一塁手のゲレロとハグを交わす球宴ならではのシーンもあったが「なんとかバットに当てたけど、自分の中の気持ちとしては、三振かホームランぐらいの感じ。そのぐらいの気持ちで行って渋いヒットにはなりましたけど」と苦笑い。先制のホームも踏んだが、ちょっぴり納得いかない様子だった。

 2回の2打席目も、球場を沸かせた。ヤンキースの左腕のロドンと対戦し、4球目のスライダーをはじき返すと右翼方向へ大飛球。ポールの右側でファウルになったが、自らの頭をたたいて悔しがりながらも笑顔を見せ、「だいぶフックしてた。最初はホームランのアレ(軌道)でしたけど、切れてファウルだなと思った」。

一ゴロに倒れたが、存在感は十分だった。

 大谷は試合中にフリーマンと並んで会見を行い、その直後に球場を離れたとみられる。試合は9回終了時点で同点。史上初めて“本塁打競争”による決着になったが出場はせず、ナ・リーグ監督のド軍・ロバーツ監督は試合後、「翔平はとっくに帰ったよ」と笑い飛ばした。後半戦初戦となる18日(日本時間19日)の本拠地・ブルワーズ戦までは2日間試合なし。「家でゆっくり過ごそうかなと思います」。後半戦はこれまで3回、36球が最多で最長の投手としても、イニング、球数が増えることが濃厚で、試合前にはキャッチボールも行った。「単純にいい時間を過ごせたなと思っています」。少し肩の力が抜けた球宴、2日間の休養日を経て、後半戦に向かう。(安藤 宏太)

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