◆第107回全国高校野球選手権愛媛大会▽2回戦 松山商3―2今治工(16日・西条市ひうち球場)

 9回2死、先発の小林甲明投手が9番打者を二ゴロに抑えると、長身捕手がベンチで喜んだ。

 松山商の石丸彰馬捕手(ともに3年)はブルペンからチームを支えた。

寮でも投手とコミュニケーションを取る。この日も「投手が良い状態で(マウンドに)上がれるように」と助言。「フォームのことを言った」と明かした。

 父は甲子園Vメンバーだ。「野球を始めたころから映像は結構見た。父親に憧れがあった」。松山商が優勝した96年夏の甲子園。熊本工との決勝戦、3―3の10回1死満塁で矢野勝嗣右翼手が「奇跡のバックホーム」でサヨナラを阻止。この時、捕手で三塁走者をタッチアウトにしたのが父・裕次郎さん(46)だった。

 「チームの捕手が、けがをしてたまたま」と中学から父と同じポジションでプレーしている。この日、父は仕事で球場には来られなかった。「(父には)技術面、捕手のこと全般を教えていただいた」と感謝を口にしつつ、「父の経歴は今の自分には全く関係ない。

チームの一員としてやるべきことをやる」と誓った。

 ◆石丸 彰馬(いしまる・しょうま)2008年1月31日、東京・立川市生まれ。17歳。段上小4年から軟式の段上ファルコンズで野球を始め、甲武中では兵庫夙川ボーイズでプレー。松山商では2年春に背番号12でベンチ入り。186センチ、75キロ。右投右打。

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