◆パ・リーグ オリックス1×―0楽天(16日・京セラドーム大阪)

 オリックスが今季7度目のサヨナラ勝ちで、連敗を3で止めた。先発・田嶋大樹投手(28)は、同2度目の完封で5勝目。

自己最多となる134球の力投に報いたのは、中川圭太内野手(29)だった。両チーム無得点だった9回2死で7号ソロ。プロ7年目で初の劇弾を放った。同じ1996年生まれの2人が投打で貢献。お立ち台でそろい踏みした。

 力を出し切った田嶋に、ハッピーエンドが待っていた。「純粋に圭太がすごいな、って。もう感激、感激ですね…」。自己最多の134球を投げ切り、ベンチで味方を応援。9回2死だった。中川がプロ7年目で初のサヨナラ弾。6月19日の中日戦(バンテリンD)以来の5勝目が贈られた。

 通算131試合はすべて先発。4度の完投はすべて完封、シーズン2度の完封勝利も初めてだった。「なるべくエネルギーを」とイニング間は水やスポーツドリンクではなく、オレンジジュースやリンゴジュースで補給。適度な糖分で脳内も活性化された様子で、9回2死一塁では小郷をけん制で刺し、無四球と制球もさえた。

 昨年に結婚し、第1子も誕生した。8月には29歳。生え抜きの先発として視野も広げている。「この投げ方なら、腰に負担が来ないんじゃない?」。大阪・舞洲で残留練習したある時には、成長過程による腰のコンディションから復帰を目指す山下に助言。自身と反対の右投げでも実演し、後輩の助けになろうとした。

 頓宮、宗ら96年生まれは個性あふれる主力ばかり。試合を決めた中川も、田嶋をリスペクトする一人だ。

「黙々と自分のやるべきことを毎日、こつこつとやっている。陰の努力とか勉強するところは多いです」。

 今季7度目の劇勝で、チームの連敗も3でストップ。サヨナラ本塁打&完投による完封勝利は77年以来、球団48年ぶりだ。お立ち台でそろい踏みし「型にハマらず、水のようにいろんな形に変えられるように」と究極の理想を思い描いた左腕。寡黙で、やるときはやる。球宴前の最終登板で、男を上げた。(長田 亨)

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