◆第11回支部長杯北海道ガス大会 最終日 ▽決勝 札幌北広島ボーイズB 6-5 札幌北広島ボーイズ※延長8回タイブレーク(13日・札幌モエレ沼公園野球場)

 札幌北広島ボーイズBが同門対決を制し、大会初優勝を果たした。札幌北広島ボーイズとの決勝で、土壇場の7回に同点に追いつくと、タイブレーク方式となった延長8回に近藤周吾捕手(3年)が決勝タイムリーを放ち、6―5でサヨナラ勝ち。

3位決定戦は札幌豊平ボーイズが6―4で苫小牧ボーイズを下した。

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 小細工無用の真剣勝負だった。1死満塁で始まるタイブレークに突入した延長8回だ。札幌北広島Bの先頭打者・近藤はフルカウントから「直球が甘めに来ると思った」と、捕手らしい読みでド真ん中の直球を捉え、左翼へサヨナラ打を放った。攻撃に入る前の円陣で、全員がスクイズを選ばず、打ちにいくことを確認。近藤は「相手は仲間だけど、絶対に勝ちたかった」と勝利への執念をにじませた。

 異例の同門対決の決勝。両チームは戦力が均衡になるように振り分けられた。初回から一進一退の展開で、Bチームが1点ビハインドの7回2死二、三塁から暴投で同点に追いつく大熱戦となった。

 相手がチームメートのため、当然ながら個々の強みや弱点を知り尽くす。4打数4安打と打線を引っ張った1番・太田慶音(3年)は「優勝したかったので、そこは割り切ってプレーした」と勝負に徹した。

 2チーム編成で出場し、優勝を争ったのは2015年の函館大会以来2度目。

煙山真大主将(3年)は「このカードになってうれしかった」と打ち明けた。

 チーム全体として大会初優勝で、今季初のタイトルとなった。この日は指揮をコーチ陣に任せた山田徹監督(65)は「紅白戦みたいな雰囲気になるのが怖かったが、真剣で、お互いに良い点も悪い点も出た。いい試合だった」と目を細めた。

 8月には関東大会(群馬ほか)が控える。壮絶な戦いを経て、チームは底上げした。煙山は「今度はチーム一丸となって、関東大会優勝を目指す」と先を見据えた。(飯塚 康博)

 〇…札幌北広島Bの紅一点、太田花凜(2年)が三塁ベースコーチを担当した。球場中に響き渡る甲高い声で指示のみならず、チームにハッパをかけた。普段は投手と外野手を務めており、「優勝できてよかった。チームの一員としてうれしいです」と喜んだ。兄の慶音は「女子だけど、よく声が出ている。

あの声に助けられている部分はある」と妹の奮闘を褒めたたえた。

 ◇表彰選手 ▽最優秀選手 近藤周吾(札幌北広島B)▽優秀選手 大西悠晴(札幌北広島B)関川楓雅(札幌北広島)山本陽亮(札幌豊平)経塚大雅(苫小牧)

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