◆第107回全国高校野球選手権神奈川大会 ▽3回戦 法政二2-0綾瀬(17日・大和)

 春夏計11度の甲子園出場歴を誇り、日本一2度の名門・法政二が綾瀬に2-0で勝利し、4回戦に進出した。

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 2年生4番の榑松(くれまつ)正悟二塁手(2年)が美守で魅せた。

2点リードの8回1死二塁。一、二塁間を破りそうな強い打球を好捕。二ゴロに仕留め、流れを渡さなかった。

 「勝負して飛び込む判断がちゃんとできて、捕れて良かったと思います」

 スローイングなどの安定した守備と長打力が売りの左のバットマン。4番としても2四球を選んだ。「四球を選べて、チャンスで先輩たちが打ってくれたので、勝ててとても大きいなと思います」と勝利を喜んだ。

 父は巨人の榑松伸介スカウトディレクター(49)。浜松北から青学大に進み、4年春には指名打者で東都大学リーグのベストナインにも輝いた。そんな父は全国各地の逸材を見定めるために、家を空けることも多い。だが、「仕事の合間に『バーチャル高校野球』とかで、映像を見てくれています」と優しさに感謝する。

 父からの言葉はいつも胸に刻んでいる。「打席に入ったら堂々と、大きく投手に向かっていけよ」。

憧れの選手は同じセカンドの巨人・吉川尚輝。「華のある守備が好きです」とお手本にしている。「野球界が厳しい世界というのは分かっているので、現実を見て野球ができています」と地に足をつけ、野球道を突き進む。

 絹田史郎監督も「やっぱりセンス。ボールの捉え方とか見極め方、飛ばし方…なかなか教えても教えきれないものを持っています。バッティングセンスが本当にずば抜けていい。信頼できる選手です」と期待を口にした。次戦へ「ちゃんと自分の仕事をして、チームの勝利に貢献できるように頑張りたい」と榑松。熱い夏は、まだまだ終わらせない。(加藤 弘士)

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