◆パ・リーグ ソフトバンク2―2ロッテ=5回終了降雨コールド=(17日・北九州)

 プロ初アーチが幻になってしまうのは史上3人目の悲劇だった。だが、主役を演じたロッテの23年ドラフト1位・上田は試合後に開口一番、「まあでも、記憶に残ったからいいんじゃないですか」と明るく振る舞った。

 同点で迎えた6回無死一塁で右翼席に勝ち越しの1号2ラン。だが攻撃中に雨が激しくなり、12分の中断後にコールドが決まった。「みんなで『このままだとやばい!』と話していました」。嫌な予感は的中したが「次はマリンで打てたらいいかなと思います」とどこまでも前向きだった。

 3回終了時に雷雨の影響で1時間5分中断するなど、天気に振り回された一日。プラス思考になれたのは、招待した母方の祖父の前で「久々に野球をやっている姿を見せられた」からだ。2回の左中間二塁打はしっかり記録に残った。出生した病院からほど近い北九州市民球場での本塁打は消えたが、確かな手応えは残った。(阿見 俊輔)

 ◆記録メモ 6回の2年目・上田(ロ)のプロ初本塁打が5回降雨コールドで、幻に。初本塁打が取り消されたのは前走者追い越しの76年行沢久隆(日)、本塁踏み忘れの17年のマレーロ(オ)に次いで3人目。本塁打が降雨コールドゲームで無効になったのは49年山川喜作(巨)、84年の簑田浩二(阪急)、87年のホーナー(ヤ)に次いで4人目。初本塁打がコールドで取り消されたのは初だ。

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