史上初のホームランダービー「スイング・オフ」で決着したオールスター戦を終え、MLBの後半戦開幕まであと一日となった17日(日本時間18日)、米中継局「FOX」がSNSで今季のタイトル争いに関して投稿した。
ファン投票で「MVP」「サイ・ヤング賞」「新人王」の中間予想を行ったもので、ナ・リーグMVPはカブスのピート・クローアームストロング外野手(23)が最も多くの支持を集めた。
名前の頭文字から「PCA」の愛称で知られる人気者は、今年3月に行われた東京シリーズで来日し、日本でも奇抜な髪形などで注目を集めた。メジャー3年目の今季はここまで95試合で打率2割6分5厘、リーグ4位タイの25本塁打、同4位の71打点、同2位の27盗塁。ナ・リーグ中地区首位を走るチームの原動力となっている。オールスターにも外野手部門のファン投票で先発出場を果たすなど名実ともに急上昇中の23歳だ。現地では鈴木誠也外野手(30)との仲良しぶりも話題となっている。
MVPレースの大本命は昨季2年連続3度目の同賞に輝いたドジャース・大谷翔平投手(31)だが、PCAにはあって大谷にないものといえば「守備」。PCAは抜群の身体能力を生かして広大な守備範囲を誇るセンターの名手でもあり、打撃、走塁以外でも貢献度は高い。昨季の大谷がDH専任としては史上初となるMVPだったように、MLBの歴史ではこれまで守備に関する評価もMVP投票に含まれており、昨年も一部ではDH専任の大谷VS遊撃守備でも魅せるリンドア(メッツ)の議論が巻き起こっていた。
それでも、今季の大谷は23年9月の右肘手術などから投手としても復帰し、2年ぶりに二刀流選手として躍動している。32本塁打はリーグトップ。1番打者としてメジャー全体最多の91得点を記録しており、後半戦では先発投手としても3回が最長だった前半戦と比べて長いイニングを消化していくだろう。今季も唯一無二の働きを見せる大谷か、次世代のスター選手のPCAか、それとも―。