◆第107回全国高校野球選手権神奈川大会▽4回戦 横浜9―0相模原城山=7回コールド=(18日・サーティーフォー相模原)

 ついにエースがマウンドに立った。横浜の奥村頼人投手(3年)が左太ももの肉離れから復帰し、今夏初登板。

最速146キロの真っすぐを中心に、4回被安打1、6者連続を含む9奪三振、無失点と安定した投球をみせた。

 第一声は「自分の思ったボールが投げられた」と納得した様子だった左腕。しかし「今日は70点。結果より内容。甘い球が多かった。東海大相模だったり、これから勝ち進むにつれて痛打されてしまう」と兜(かぶと)の緒を締めた。

 この日はNPB9球団のスカウト陣が背番号1をマーク。巨人の榑松(くれまつ)伸介スカウトディレクターが「馬力がある。センバツの時よりも球の力がある」と春からの成長を評すれば、ヤクルトの余田(よでん)雄飛スカウトは、「彼はクレバーな投手。今日も安心感があって評価は高い」と話した。また、ロッテの中川隆治スカウトは「常に一定のマインドでしっかり投げられる」とマウンドさばきを高く評価した。

 村田浩明監督は「パワーアップして戻ってきてくれた。

いい時間を過ごして、ちゃんと準備できて」とエースをたたえた。また、神奈川大会の組み合わせが決まってから、奥村頼を4回戦で登板させると決めていたといい「チームにとって4回戦というのはひとつギアが上がるタイミング」と話した上で、「今日はエースがしっかり投げて、バックがしっかり守る、引き締まった試合」と満足げだった。

 「最大の敵は自分たち。おごりなく」と気を引き締め直した指揮官。「勝って反省していかなければ。負けて反省ができない大会」と一戦必勝で突き進む。

 5回戦は藤嶺藤沢と対戦(20日・横浜)する。

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