◆第107回全国高校野球選手権東東京大会 ▽4回戦 安田学園11―1共栄学園=6回コールド(18日・神宮)
安田学園が第3シード校の共栄学園に圧勝し、6年ぶりに5回戦に進んだ。2回に先制を許したが、4回に高比良共祐投手(3年)の犠飛などにより逆転。
リベンジを果たした。昨秋の都大会では2回戦で対戦。2―2の延長10回タイブレークで4点を奪われて敗れた。「ほんとに非常に悔しい負け方をした」と安田学園・会田勇気監督。因縁の一戦を前に「これはリベンジをしっかりやるチャンスを神様が与えてくれたんだよ」とチームを鼓舞した。予想外の大差がつき「正直もう本当にこれはできすぎ、こんな点差になると思ってなかった」と称賛した。主将の増田光太朗三塁手(3年)は「ロースコアからタイブレークまでいくと思っていたが、ほんとにチームの成長が見られた」と笑顔を見せた。
試合前、緊張していたのはナインではなく監督だった。前日の練習からそんな様子を敏感に感じ取っていた主将とナイン。試合前には主将が「そんなに気負いすぎず、自分たちのやることをしっかりやろう、リベンジ絶対しよう」と呼びかけて臨んだ。
4番の増田は「4番・三塁手」として先発。
最後に打線が爆発した要因は「とにかくバットを振ったことです」。増田は1日500回を目標に、毎日家に帰ってからもひたすら素振りを繰り返した。「昨夏自分が打てなくて負けたのでその悔しい思いから1年間バットを振り続けた」。その努力が実を結んだ。
エネルギー源は「両親」だという。母は助産師で夜勤があり、父は単身赴任で家を空けることも多い。しかし、この日は赴任先の新潟から父も駆けつけていた。「朝はお父さんがおにぎりを作ってくれた」。かけてもらったのは「力を抜いていけ」との言葉。何げないひとことから、大きな勇気をもらった。
今春の都大会では文京に3―6で2回戦敗退。
最終的な目標である甲子園まではまだまだ遠い。次戦に向け、仲間には「しっかり練習して、また一個一個しっかり勝っていこうと伝えたい」と増田。主将として気を引き締めなおした。(渡辺 朋美)