米大リーグの後半戦が18日(日本時間19日)にスタートする。最も注目したいのは、前半戦歴代2位の38本塁打を放ったマリナーズのカル・ローリー捕手と、35本で追うヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手との本塁打王争いだ。

 ここで前半戦35本以上本塁打を打った選手を挙げると(★は本塁打王)、

 ▼39本=2001年B・ボンズ(ジャイアンツ)最終73本★

 ▼38本=2025年C・ローリー(マリナーズ)最終?

 ▼37本=1969年R・ジャクソン(アスレチックス)最終47本

 ▼37本=1998年M・マグワイア(カージナルス)最終70本★

 ▼37本=2013年C・デービス(オリオールズ)最終53本★

 ▼35本=1998年K・グリフィー(マリナーズ)最終56本★

 ▼35本=2001年L・ゴンザレス(ダイヤモンドバックス)最終57本

 ▼35本=2025年A・ジャッジ(ヤンキース)最終?

 前半のペースをキープしたボンズとマグワイアは70本台に乗せた。一方、後に野球殿堂入りするジャクソンは23歳の若さもあって、メディアの注目を浴びるとプレッシャーに押し潰された。後半戦はわずか10本しか打てなかった。

 今季は試合の消化が早いこともあって、ローリーの本塁打ペースを162試合に当てはめると64本。それでも2022年ジャッジの62本(前半戦33本)を抜く新記録となる。

 心配なのは捕手としての重労働だと思われるが、そうでもなさそうなのだ。DHで先発出場した23試合では7本打っており、12・1打数に1本の本塁打率。ところが、マスクをかぶった70試合の先発出場では31本。8・4打数に1本という数字を残している。捕手で出場している方が打席でのリズムが合っているようだ。

 オールスター戦前哨戦のホームランダービーで優勝したことでも脚光を浴びたローリー。スイッチヒッターとして、今季序盤から、左右の打席で使うバットを変えている。

左打席では、開幕直後に話題となったトルピード(魚雷)バットを使用している。HRダービーでは、最初は左打席で打ち、途中で右打席に変更しつつ、準決勝以降は左打席に集中してホームランを量産した。

 ではレギュラーシーズンでは、左右の打席でどれだけ差があるかというと、左打席では打率2割2分9厘の22本で、本塁打率は11・1打数に1本。それが右打席では打率3割3分3厘の16本で、6・4打数に1本という驚異の数字を残している。

 捕手のシーズン最多本塁打記録は2021年、ロイヤルズのサルバドール・ペレスの48本。まずはこの数字を目標に故障なくペナントレースを過ごして欲しいものである。

 ※参考資料 ベースボールリファレンス

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

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