スペイン1部バルセロナは25日、ノエビアスタジアム神戸で27日に予定されているJ1神戸との親善試合に向け、来日すると正式に発表した。スペインメディアによると、神戸戦のキックオフ49時間前となる現地午前11時(日本時間午後6時)に現地の空港を発ったという。
24日にはプロモーターの重大な契約違反により、来日を取りやめると発表していたが「トップチーム一行は日本へ向かう。神戸戦の中止発表の原因となった問題が解決された」と発表した。急転直下の“撤回の撤回”により、来日が決まった。
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複数のスペインメディアは24日までに「バルセロナはアジアツアー3試合で1500万ユーロ(約26億1000万円)を受け取る契約だったが、神戸戦分の500万ユーロ(約8億7000万円)が未払いだ」と報道。アジアツアーのプロモーターを務める韓国の「D―Drive」はスペイン各紙を通じて、神戸―バルセロナ主幹の「ヤスダグループ」(東京・港区)に契約違反行為があったと主張し、損害賠償も辞さない構えを強調していた。
一転した来日決定の背景として、スペイン各紙は神戸の親会社・楽天が動いたようだと一斉に報道。スペイン紙「スポーツ」は24日に「楽天が肩代わりする形で決着をつけた。違反金などの契約不履行に伴う刑事責任を考慮したようだ」と速報を出していた。
バルセロナの来日撤回が“寝耳に水”だった神戸は、事態の把握に努めており、25日早朝には「FCバルセロナと密に連携を取り、競技を重ねておりますが、今後のご案内までにもうしばらく時間を要する状況でございます」と声明を発表。選手は試合開催を信じ、トレーニングを行っている状況だった。
ヤスダグループは25日夕方時点でリリースの発表などは行っておらず、沈黙を貫いている。