第107回全国高校野球選手権大会(5日から18日間)の出場校による甲子園練習で2日、豊橋中央のエース・高橋大喜地(だいきち)投手が横浜・阿部葉太中堅手(ともに3年)に心理戦を仕掛けた。2人は中学時代の球友で、チームを春夏通じて初の聖地に導いた右腕は「早く打席に来い」と挑発。

松坂大輔氏を擁した98年以来の春夏連覇を狙う名門の主将は、甲子園での再会を「励みになる」と冷静に受け止めた。

 横浜・阿部葉は終始落ち着いた様子だった。シートノック、シートバッティングで15分間の練習を終えると、「改めて甲子園で練習して、ほんとにいい場所だな」。センバツの決勝以来の聖地を堪能した。

 愛知出身の阿部葉にとっても、春夏通じて初出場の豊橋中央は対戦したいチームだ。「まさか甲子園の舞台で会えると思っていなかった」。エース高橋のほか、松井蓮太朗、花井成次、砂田隆晴(以上3年)、中立大翔(1年)の5人は愛知豊橋ボーイズ時代のチームメート。「(昨年の)年末に帰って集まった時も、『絶対甲子園に出て横浜倒す』と言われた」と、笑みをこぼした。

 県大会打率4割8分1厘と、打棒に磨きをかけて迎える最後の夏。「舞台が整ったというか、甲子園で(5人に)会えるのはすごくうれしい。自分としても励みになる。抽選次第ですけど、すごく楽しみ」。

好敵手の出場を刺激に、史上2校目となる2度目の春夏連覇に挑戦する。(松ケ下 純平)

 〇…エースで「4番」の横浜・奥村頼人(3年)は来春のセンバツからの導入が決まった指名打者(DH)制について「野球が新しく変わっていく中、自分のようなエースで4番、ピッチャーで4番というのが少なくなってくるんじゃないかと思う。今まであった面白さも消えていくと思うので、そういう意味では賛否両論だと思います」と語った。自身の立場を踏まえつつ、「何か一つ頑張るんじゃなくて、一つ頑張ってるだけで他にもつながる部分があると思います」と“二刀流”継続への意欲を示した。

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