◆JERA セ・リーグ 巨人4―7DeNA(2日・東京ドーム)

 巨人は記録に残らないミスの連発でDeNAに敗れ、カード勝ち越しを許した。3連敗で借金は今季ワーストタイの3となり、3位に転落した。

初回にリチャード、泉口が打球をグラブに当てながらアウトにできないなど、一挙3失点。T・キャベッジ外野手(28)の11号2ランで追い上げたが、今季初の3戦連続5失点以上と頼みの投手陣が崩れた。首位・阪神が勝ったためゲーム差は今季最大であり、セ・リーグの最大差逆転優勝記録でもある13に開き、崖っ縁に立たされた。

 負の連鎖を断ち切れなかった。投打がかみ合わず3戦連続7失点で痛恨の3連敗。阿部監督は試合後「横浜(DeNA)も打撃陣が好調なので。それも知っていたんだけどね。なかなか止められませんでしたね」と悔しそうに振り返った。今季初の3試合連続5失点以上。借金はワーストタイの3となり、DeNAに抜かれて3位に転落した。

 開始直後から重い空気が充満した。初回先頭、桑原の三遊間のゴロを三塁・リチャードがグラブに当てるも捕球できず左前安打。

2番・京田の投ゴロはグリフィンがはじいて一塁アウトのみで、一塁走者の二進を許した。2死三塁からは4番・宮崎の痛烈なゴロを遊撃・泉口がはじいて先制の適時内野安打。さらに2―0の2死一塁から山本の右中間を破る一打で中堅・佐々木が処理をもたつく間に、一塁走者・宮崎の一挙生還を許した。いずれも失策は記録されなかったが、守備の細かいほころびが3失点につながった。

 不運な打球もあったとはいえ、試合前まで今季6勝0敗、防御率0・75と抜群の安定感を誇っていたグリフィンも4回4失点と崩れた。阿部監督は「あんまりコンディションも良くなさそうだったので代えた」と5回から継投したが、救援陣も本塁打で中押し、ダメ押しの追加点を許した。後半戦7試合でチームの先発防御率は6・75。前半戦で奮闘してきた先発陣が踏ん張りどころを迎えている。

 攻撃陣は最大5点ビハインドから一時2点差まで迫った。打線の状態アップと投手陣の失点増が同時期に来る悪循環。この状況を好転させるためには、野手陣が攻守で当たり前のできるプレーを積み重ね、これまでチームを支えてきた投手陣を助けていくしかない。

 2カード連続負け越しで首位・阪神と今季最大の13ゲーム差に開いた。

セ・リーグでは、08年に巨人が首位と最大13差から逆転優勝を果たした「メークレジェンド」が最大逆転差Vの記録となっており、データ上もついにデッドラインに達した。「とにかくもう点を取るしかないのでね。いい形もできたし。とにかく切り替えて明日頑張ります」と阿部監督。残り47試合。2位以下の混戦を抜けだし、首位追撃の一番手になるためにも、これ以上ズルズル後退するわけにはいかない。(片岡 優帆)

 ◆記録メモ 巨人は首位・阪神に13ゲーム差。過去、最大ゲーム差の逆転Vは63年西鉄で、7月12日に南海につけられた14.5差をひっくり返して優勝がある。セでは、08年巨人が7月9日に阪神に13ゲーム差をつけられたが逆転V。13差がセの最大ゲーム差逆転Vだ。13差以上の逆転優勝は、西鉄と巨人の2例しかない。

 63年の西鉄は63試合終了時につけられたゲーム差で、150試合制のため、残り87試合で逆転。

08年巨人は144試合制の78試合終了時点で、残り66試合で逆転した。

 今年の巨人は今季最大13ゲーム差となり、セの最大逆転差と同じゲーム差となったが、96試合を終え残り47試合しかなく、苦しくなった。

 ◆メークレジェンド 08年に巨人は開幕5連敗スタート。7月8日に自力Vが消滅し、首位・阪神と最大13ゲーム差をつけられた。だが、7月を16勝8敗で勝ち越し、9月11日からは怒とうの12連勝するなどひっくり返して、セ・リーグ最大の逆転劇となった。この大逆転劇が「メークレジェンド」と呼ばれ、この年の流行語大賞候補にもノミネートされた。

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