第107回全国高校野球選手権大会(5日から18日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市内で行われ、昨春のセンバツ王者・健大高崎と昨夏の覇者・京都国際が第8日(12日)の第1試合で対戦することが決まった。最速158キロ右腕・石垣元気と注目左腕の西村一毅(ともに3年)が初戦でいきなり激突する。
運命の抽選会で、最も大きなどよめきが起きた。会場に設置された大きなトーナメントボードの第8日第1試合。健大高崎の隣に、京都国際が飛び込んできた。
ディフェンディングチャンピオンが抽選札を引いたのは、最後から6番目。青柳博文監督(53)には“予感”があったという。「もう残りが少なかったので『来るかな』と思っていました」。前年の春夏の甲子園の覇者が激突するのは、83年のPL学園(春)―池田(夏)以来2度目。「いいチームなので、できれば初戦ではやりたくなかった」と本音を漏らした。
京都国際とは、浅からぬ因縁がある。今春センバツの直前に練習試合を行った際、エース石垣元が脇腹を痛めた。一方で、主将の加藤大成内野手(3年)がエース左腕・西村から本塁打を放つなど打撃が振るい、試合は勝利した。加藤は「イメージ的にはいい。
この日の午前、チームは甲子園練習に臨んだ。キャッチボールを中心に軽めの練習を行った石垣元は「いるだけで楽しい球場。最後は日本一で終わりたい」と決意を述べた。群馬大会での登板は、救援での2試合5イニングのみ。指揮官は「万全の状態。投げたくて仕方がないように見える」と言ってうなずいた。
難敵との戦いに向け、青柳監督は「3―2とか2―1の試合になると思う。石垣、佐藤(龍月)、下重(賢慎)を総動員して守り抜きたい」と勝利のシナリオを描く。「この初戦を勝ち切れば、自信を持っていけると思う」。群馬勢が夏に一度も勝ったことがない京都勢を倒して歴史を動かすことが、夏の全国制覇へのスタートとなる。
▽石垣元気(健大高崎) 群馬大会2試合5回無失点、奪三振8、最速158キロ
▽西村一毅(京都国際) 京都大会4試合34回8失点、奪三振45、最速146キロ
◆24年の石垣元と西村 石垣元は背番号10で昨春センバツに出場。全5試合に登板し、23回自責5で優勝に貢献した。西村は背番号11で昨夏の甲子園に出場し、4試合24回で自責0(失点1)。関東第一との決勝では、2点リードの延長タイブレーク10回裏に登板して1点に抑え、胴上げ投手になった。2人が甲子園で投げ合えば初となる。
▼京都勢に夏0勝9敗 健大高崎は昨夏の優勝校・京都国際と対戦。過去、群馬勢の京都勢との対戦成績は、春2勝3敗に対し、夏は0勝9敗。勝ったのは50年春の桐生、65年春の東農大二だけで春夏通算7連敗中だ。また、夏連覇挑戦校に挑んだ群馬勢は、32年高崎商●(対中京商)、83年太田工●(対池田)。2戦2敗と相性が悪い。健大高崎は初の京都勢、夏連覇挑戦校との顔合わせで勝利となるか。