◆パ・リーグ 日本ハム9―0オリックス(3日・京セラドーム)

 日本ハムの伊藤大海投手(27)が3日、オリックス戦(京セラD)で先発し、6回7安打無失点で両リーグ単独トップの11勝目を挙げた。奪三振も127とし、ソフトバンク・モイネロを抜きリーグトップに浮上した。

チームは、14安打9得点の大勝。2連勝でカード勝ち越しを決め、首位・ソフトバンクとのゲーム差1を死守した。

 伊藤らしい豪快な雄たけびはなかった。6回2死一、二塁、大里を149キロの直球で空振り三振に仕留めたが、一切表情を変えずにマウンドを降りた。6回7安打無失点で両リーグ単独トップの11勝目。「もっと長いイニングを投げなければいけない立場。求められている仕事は全くできていないのでいい気持ちではない」。9点の援護がありながら、毎回走者を出し、6回114球で降板。責任感の強いエースらしく、白星にも唇をかんだ。

 その中でも発見があった。9点リードに守られ、ストライク先行でテンポ良く投球し出力も控えめに無失点。「一生懸命投げているときは点を取られて、今日みたいにひょいひょい投げている方が点を取られなかったりする。

改めて野球の面白さを感じた」と振り返った。

 大量リードで試す部分もあった。「いい意味で遊び心をもって、投げられるようになりたい」と4回1死、中川への5球目を通常より肘を下げてスライダーを投じた。「中川さんはスライダーに合うイメージがあったので、いつもと違うイメージで投げた」と説明。粘られて中前安打を浴びたが今後を見据え、ライバルに布石を打つことを忘れなかった。自己最多の15勝を目標に掲げる右腕は、この一戦を糧に1勝ずつ積み重ねていく。(川上 晴輝)

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