◆米大リーグ ドジャース3―5カージナルス(6日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が6日(日本時間7日)、本拠地・カージナルス戦に「1番・投手、指名打者」でフル出場し、投げては今季最長で最多の4回54球を投げて、2安打1失点、8奪三振、最速101・1マイル(約162・7キロ)と圧巻の投球で試合を作り、打っても1点を追う3回の2打席目に10試合ぶりの本塁打となる39号2ランを放ち、日本人ではイチロー、松井秀喜に次ぐ3人目のメジャー通算1000安打を達成した。投打の大活躍を見せたが、ドジャースは逆転負けを喫した。

 この日は本塁打を放つなど3打数1安打2打点だったが、6月16日(同17日)に投手復帰してからの43試合は、163打数39安打の打率2割3分9厘、14本塁打、34打点とホームランこそ出ているものの、復帰前の70試合で打率が2割9分7厘だったことを考慮すると、やや打撃の調子を落としている。2年ぶりの投手復帰とあって、体に負担がかかった必然的なものでもあるが、大谷の考えは違った。

 「シーズンの前半はどちらかというとまだ数字が整ってこない。全体的に相手チームもアグレッシブに攻めてくるシチュエーションが多いと思う。自分自身が振っていく中でゲームを作っていくという打席が多いのかなと思う。(投手に)復帰したくらいのタイミングで数字が整ってきて、相手チームも、ポストシーズンを狙えるチーム、狙えないチームが出てくる中で、シチュエーションによってなかなか(ストライク)ゾーン内に来ないところで、自分が我慢できるかが一番大事になると思う。投げている、投げていないにかかわらず、しっかりと我慢強く打席を送れるかが大事。しっかり後ろのバッターに預けるところは、しっかりフォアボールを選んで預けるというのが、全体的な打席を送る中では大事かなと思います」

 投手に復帰したのがシーズンのほぼ半分となるチームの73試合目。たしかにシーズン序盤は各チームは勝敗へのこだわり以上に、個人としての勝負を挑むケースが多く、大谷もこれまで5、6月に好成績を残すことが多かった。今季も5月には自己最多タイの15本塁打を放った。だが、6月中旬以降は各チームの勝利に対する意識が高まり、2番のベッツが不調なこともあって、大谷には際どいボールで勝負するシーンが増えたのも事実だ。

 だが、勝負を避けられる場面でしっかりと四球を選ぶことも大事だと説いた大谷。

メジャー8年目にして通算1000安打も達成したが「一番はどれだけフォアボールが選べるかということだと思う。しっかりなかなかゾーン内に来ないときにしっかり我慢できるというのが1番全体的な打席の中では大事かなと思います」と終盤へ向けて決意を口にしていた。

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