◆JERA セ・リーグ 巨人2―3ヤクルト(7日・東京ドーム)

 マー君は以前1軍にいた時と見違えていた。最速149キロの球速表示より、ボールに力を感じたんだ。

理由は球離れが遅くなったこと。リリースポイントが打者寄りになって、打者の近くで離せていた。ボールが垂れないし、打者の手元でグッと、もうひと伸びする。低めに力のある球が集まっていたよ。

 5回2死満塁を切り抜けてベンチに戻ったあとの様子とか、醸し出す雰囲気にも「らしさ」が出てきた。5回まで84球だったけど、ベンチで「次のイニングも行かせてくれ!」という感じだった。集中している時は自分の世界に入りこんで、近寄りがたい雰囲気がある。久しぶりに楽天時代のような雰囲気のマー君を見たよ。

 試合前にはグラウンド整備用のトンボを振って、腕の「縦振り」を意識付けしていた。そんな練習する選手は初めて見たけど、ファームで取り組んできたことなんだろう。この日の投球内容を見れば、成果は確実に出ていたと言える。走者を背負ってから慎重になりすぎるところはあったけど、球質も制球力も格段に良くなった。

この見事な内容なら、今季中の200勝、行けるはずだよ。(スポーツ報知評論家・宮本 和知)

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