オリオールズ・菅野智之投手(35)が、7日(日本時間8日)までにスポーツ報知のインタビューに応じた。メジャー1年目の今季はここまで21試合で8勝5敗、防御率4・42。

低迷するオ軍先発陣で唯一ローテを守り、チーム最多タイとなる8度のクオリティースタート(QS)を達成している。トレード候補として名前が挙がった7月の補強期限が過ぎ、今季終了まで残り2か月を切った現在の心境などを語った。(聞き手・一村 順子)

 ―米1年目、シーズン中の監督解任などもあったが、トレード期限(7月31日)が過ぎた今の心境は。

 「流れのまま過ごしているという感じです。固定観念を捨てて、なるべく受け入れる。ストレスに感じるより、こういう感じなんだな、と」

 ―年齢を重ねて渡米したからこそ。

 「若い時に来てたら、いろいろなものを受け入れることは難しかったと思う。思い通りにいかなかった時に、それを打開する力もなかったと思うし。年齢を重ねてこっちに来て、ある程度、いろいろなものを受け入れながら、自分の中で消化できている」

 ―トレード期限前にはチームへの愛着も口に。同僚を思いやる発言も多い。

 「自分のことだけ考えて野球をやっても面白くないですからね。打者はどういうふうに考えているのかなとか、逆に野手から(自分は)どう見えているのかなとか。

そういうのが野球の醍醐(だいご)味でもある。そういう野球観でやっています」

波長合う女房役 ―今季、分岐点になった試合は。

 「結果が伴わなかったけど、クリーブランド(7月21日ガーディアンズ戦、4回途中4失点)で手応えを感じたというか、ピッチングが点から線になっていく感じは、あの試合から始まった気がします。この前の試合(2日カブス戦、5回3失点)も、かなり印象的でした。久しぶりに(復帰した)アドリー(ラッチマン)と組んで、本当にここまでサインが一致することあるのかって思うぐらい、バチバチ、ハマっていたんで。結果的にはあんまりだったけど、改めて波長が合うと思いました」

 ―ラッチマンと組むことは入団会見から楽しみに。

 「素晴らしい選手だと知ってましたから。言葉は通じなくてもここまで波長が合うように関係を築けたのはうれしいですよね」

 ―これまでも「体・心・技」と「体」の重要さを口にしていた。

 「『心・技・体』じゃなくて『体・心・技』と言っています。やっぱりみんな体が強い。移動して翌日試合という時でも、移動前にトレーニングしている選手もいる。『体』という部分が大事というのは、どこでプレーしていても変わらない。

佐藤(琢哉)トレーナーがサポートしてくれているのが大きい。彼がいなきゃ、やれない、できていない。僕とこのチームに入って、他の選手が(佐藤トレーナーを)気に入って、彼の治療も受けている。それが僕にはもっとうれしいことです」

 ―メジャーに来て人生観は変わったか。

 「変わりました。ここでプレーするのが目標だったし、夢だった。その中で、思い描いていた部分と、そうじゃない部分の両方を感じてきましたから。ただ、まだ現役のうちにあまり大きい人生観とか語りたくないんですよ」

 ―残り2か月。長くメジャーでプレーするためにも勝負の時間になる。

 「いや。『来年の契約のために』って投げたくないですね。切羽詰まって投げてもいいことない。

結局、それって自分のことだからね。チームが勝つために投げていればいいこともあると思う。来年以降、どこにいたとしても、野球は続けるわけだから。ある程度、経験もできたわけだからね。割と楽観的に考えていますよ。来年、契約がなきゃ、それはしょうがない。でも、野球は続けるので。だからこれまで通り、しっかりローテーションを守って、チームに勝ちがつくよう、最後まで投げ切りたいと思っています」

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