今季65試合を終えて45勝17敗3分けの巨人3軍の戦いを、駒田徳広3軍監督(62)が総括。投打で成長を見せた有望株を挙げたほか、6月下旬に3軍戦に出場したリチャード内野手に授けた助言、また自身の経験を踏まえて長距離砲が結果を残すために大切な考え方を明かした。

 7月は社会人チームとの対戦でバントの失敗が非常に多く、プレーの精度をもう一度見直さなければいけないと感じる期間でした。3軍選手は打てなければ2軍に上がれませんから、これまでバントを多用してきませんでした。しかし今季は1~3軍の選手の入れ替えが激しく、巨人の3軍では早い時期から細かな技術を習得する必要があるのだと、改めて感じています。

 個々の選手では、育成5位の西川は小柄ですが大きく育ってほしい投手です。中日2軍との試合では、力強く振ってくる打線に直球勝負ができていて鼻が高かったです。(7月下旬に2軍合流した)中田は打撃が非常に良くなりました。多少の違いはありますが(元巨人の)片岡(保幸)の打撃イメージに近づいてきた感じを受けています。

 6月下旬にリチャードが3軍戦に出た際には「本塁打を打ちたければ、中堅方向を狙うと捉える確率が非常に高くなる」と伝えました。中堅方向は技術がない選手でも100メートルほど飛距離が出ますから、彼のパワーがあれば本塁打になる。さらに、ゆっくりと投球を見て、打ちにいくコツをつかめるチャンスが出てきます。

 実は、次の機会があれば「凡人の長距離打者は変化球狙いが基本」という考え方を伝えたいと思っていました。今まで見てきた「練習なら3冠王」という打者たちは、試合で直球を狙い、変化球に打ち取られていました。

捕手は変化球を狙って振られると、さらに外角の厳しいコースに要求します。しかし、変化球への意識があればボール球を振らずに済み、捕手は「直球や内角を投げないと打ち取れない」と考えるでしょう。そこで初めて勝負の土俵に立ち、好きな球を打つことができるようになるのです。

 最近の打撃を見ると、「変化球を狙う意識が出ているのかな」と勝手ながら感じています。あくまで僕の意見ですが、背中を押すことにつながれば…と願っています。(巨人3軍監督)

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