◆米大リーグ オリオールズ3―2アスレチックス(8日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)
オリオールズの菅野智之投手(35)が8日(日本時間9日)、本拠地・アスレチックス戦に先発し、7回を投げて5安打1失点(自責1)で今季9勝目を挙げた。初回に味方打線に3点の援護をもらった菅野は5回に犠飛で1点を許すも要所を抑えて、球数91球で7回を投げ切り、今季9度目のクオリティースタート(QS=6回以上自責3以下)を達成。
初回を球数7球の3者凡退に打ち取る上々の立ち上がりから、菅野が安定のピッチングで9勝目を挙げた。味方打線が初回にラッチマンの9号先制2ラン、この日60日間の負傷者リスト(IL)から復帰したマウントキャッスルの2者連続アーチとなる3号ソロで3点を奪うと、球数91球のQSでチームを勝利に導いた。
「いろんなコマンドが最近機能しているのが、結果につながったと思います。アドリー(捕手のラッチマン)の復帰がすごく大きい。うまくリードしてくれて、最近、ピッチングが線になってきている。首を振ることはあるんですけど、その次は自分が思ったサインを出してくれる。改めてキャッチャーとのコミュニケーションが大事だと思います」
点から線へ―。正捕手の復帰で配球面に根拠が生まれ、投げるボールに自信がよみがえった。左脇腹痛で離脱したラッチマン不在の期間、課題となったのが、左打者の内角への攻め。この日は球速を投げ分ける2種類のスプリットなどを効果的に使い、左右の打者を交互に並べるジグザグ打線をうまく封じた。
それを象徴したのが、7月にメジャー新人史上初の1試合4本塁打の快挙で一躍、新人王候補にも名乗りを上げたカーツとの初対戦。
マンソリーニ監督代行も「トモ(菅野)はシャープで自信にあふれていた。調子を落としていたことがあったが、ここ数試合はとても安定している。開幕序盤の頃に戻ったようだ」と、6月8日(同9日)の前回対戦のリベンジを果たした右腕に完全復活を感じ取っている。
メジャー1年目の日本人投手では、昨年の今永昇太(カブス)に続く史上10人目の2ケタ勝利に王手をかけた。勝ち星にはこだわりを見せない菅野だが、「うれしいです。それだけね、やっぱり責任イニングを投げられてるっていう証拠でもあるんで。チームが勝てているっていうことにこだわって、早くというかね、通過点ではありますけど、次も今日みたいなピッチングができると勝てると思います」と力強かった。