東京六大学野球リーグ・早大は4日から17日まで新潟・南魚沼市内のベーマガスタジアム(大原運動公園)で夏季キャンプ中だ。今春のリーグ戦ではリーグ最多を更新する3季連続49度目の優勝を遂げ、天皇杯を手にした。

キャンプ期間中の8日、小宮山悟監督(59)以下、野球部員約50人が同市内にある池田記念美術館を訪問した。

 同美術館はベースボール・マガジン社の創設者・池田恒雄氏(1989年野球殿堂入り)の強い志の下、1998年に開館。池田氏は1946年の同社創業にあたり「学生野球の父」と言われた飛田穂洲氏(早大野球部初代監督、1960年野球殿堂入り)に原稿執筆を依頼。池田氏は飛田氏が住む水戸へと何度も足を運び、承諾を得ることができた。

 1946年創刊の「ベースボール・マガジン」の巻頭言には、飛田氏が寄稿した「進め!野球の大道へ!」を掲載。池田記念美術館にはスポーツ展示室があり、飛田氏が著わした直筆原稿が展示されている。墨で記された和紙を広げると、約2メートルの長さになる。同美術館への訪問は、キャンプの恒例行事だ。学生たちは約1時間、早大野球部の歴史と伝統にふれ合った。

 小宮山監督は「毎年夏、池田記念美術館に足を運ぶたび、心が洗われます。何回、来ても背筋が伸びる。学生たちには、ことあるごとに『早稲田大学野球部は、他の野球部とは違うんだぞ』と言い続けていますが、歴史に触れ、何かを感じたはず」と語り「早稲田大学野球部としての幸せを感じてほしい。

私自身も『早稲田で良かった』という人生を歩ませてもらっていますが、今の学生にも卒業して10年、20年が経過したときに『早稲田で良かった』とさせないといけない」と力を込めた。

 小沢周平主将(4年=健大高崎)も「歴史に触れるたび、早稲田大学野球部としての誇りを感じています。早稲田大学野球部という伝統のあるチームで、歴史を築いた先輩たちの後を、自分たちも継いでいかないといけない」と気持ちを新たにしていた。

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