◆パ・リーグ ソフトバンク4―1日本ハム(9日・みずほペイペイ)

 ソフトバンク・有原航平投手(32)が、日本ハムとの天王山で気迫の投球を見せた。「自然に気持ちが入りました」と古巣相手に7回を4安打1失点の力投。

自身8連勝で、3年連続6度目の2桁勝利をマークした。

 3点リードの7回は2度ほえた。無死一、二塁、水野をチェンジアップで狙い通りの二ゴロ併殺に仕留めて「ヨッシャー」。2死三塁、五十幡の空振り三振で拳を握った。「あそこの粘り。あの回をゼロで帰ってきたので勝ちがグッと近づいた」と本拠地で10連勝を飾った小久保監督が、エース右腕を称賛した。

 今年は8月に失速する気配はない。大リーグからホークス入団1年目の23年は月間で2勝2敗、防御率4・32。昨季も1勝2敗、同5・70と苦しんだ。だが、今季は月間MVPを獲得した7月の勢いを持続し、2戦2勝の防御率2・08。「しっかり栄養を取って、しっかり睡眠を取る」と夏バテ対策はシンプルだが、抜群の安定感だ。

 有原とチームの成績は、リンクしている。

2年連続開幕投手を務めたが4戦3敗とつまずき、5月を終えて2勝5敗。野手の主力に故障者が続出したこともあり、4月を最下位で終え、5月終了時点で貯金1だった。しかし有原の連勝が始まった6月以降は、貯金も右肩上がり。今季最多の25まで増えた。

 今回の3連戦は今季初めて有原、モイネロ、大関の3本柱を投入する。初戦の快勝で2位・日本ハムには今季最大の2ゲーム差。「流れを渡さない投手陣がいる。それが今の位置にいられる要因」と指揮官が手応えを口にした。最短なら14日に優勝マジック32が点灯する。(島尾 浩一郎)

編集部おすすめ