◆第107回全国高校野球選手権大会第5日 ▽1回戦 佐賀北5×―4青藍泰斗=延長10回タイブレーク=(9日・甲子園)

 2007年に優勝し“がばい旋風”を巻き起こした佐賀北は延長10回タイブレークの末、サヨナラ勝ちで2回戦に進出した。

 優勝した07年決勝以来となる佐賀北の勝利の校歌を、高らかに歌い上げた。

延長10回、140球を投げ抜いたエース・稲富理人をはじめとするベンチ入りの3年生12人は、みな07年生まれ。稲富は「サヨナラ勝ちということで、佐賀県大会とは違う校歌でした。幸せでした」とかみ締めた。

 接戦の連続だった“あの夏”と同じく、劇的な勝利で甲子園を沸かせた。10回1死満塁。2番・山下泰槻が、投手と捕手の間にサヨナラのスクイズ。殊勲の山下は「バントは得意。自分が決めるしかないという気持ちでした。歓声がすごくて本当にやったんだ、と思いました」と胸を張った。

 全国制覇のあと、甲子園には12、14、19年夏に出場したが、いずれも初戦負けだった。“がばい旋風”よ再び。12年に選手として出場した本村祥次監督(31)は「大阪に入る前から、選手たちがしきりに“だんじゃなか旋風”と言っているんです」と明かした。

「だんじゃなか」は「段違い」を意味する佐賀弁だ。

 07年は、帝京との準々決勝を延長13回サヨナラで勝利して勢い付き、一気に頂点まで駆け上がった。18年ぶりの聖地での延長サヨナラが、選手に「だんじゃなか」な成長をもたらす可能性は十分にある。(浜木 俊介)

編集部おすすめ