◆JERA セ・リーグ DeNA3―4巨人(8日・横浜)

 慣れ親しんだ横浜の地で、新たな一歩を踏み出した。1点を追う5回2死、乙坂智外野手が代打で登場。

かつての本拠地はどよめきと拍手で包まれた。

 先発・ケイが投じた初球の142キロ変化球に反応。「スコアラーの方々とも話しながら軌道をイメージして、そのイメージ通り来た」。振り抜いた打球は、左翼・佐野が伸ばしたグラブをかすめてフェンス際で弾んだ。巨人加入後、4打席目で初安打となる左越え二塁打。「(横浜は)大好きな球場の一つですし、知ってくれているファンの方々も多いので、元気な姿を見せられて良かった。間違いなく自分の野球人生の中でも、幸せな1日になった」と、喜びをかみしめた。

 21年までの10年間はDeNAでプレー。退団後はメキシカンリーグや米マイナーなどを渡り歩いた苦労人は、入団テストを経て7月中旬に巨人入りし、4年ぶりにNPBに復帰。海外で培ったハングリー精神でバットを振り続けた。「何とか期待に応えたいという思いがある。ずっと打てていなかったので、1本出てだいぶほっとした」。

背番号54は、思わず顔をほころばせた。

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