ノルディックスキー複合で五輪3大会連続メダルの渡部暁斗(37)=北野建設=が11日、長野・白馬でローラースキー練習を公開した。集大成と決めている来年2月のミラノ・コルティナ五輪でメダル獲得なら、冬季五輪日本勢初の4大会連続個人メダルの快挙。

「自分に対する期待値も低いし、周りもそんなに期待していない。その中で2月に最高のパフォーマンスができたらかなり奇跡的。だから今までで一番楽しみ」と前人未到への挑戦に気持ちを高ぶらせる。

 最高の状態に仕上げていく。春先から練習を開始し、1日に札幌の大会に出場した後、1週間、奄美大島でリフレッシュ。この日から練習を再開した。「夏のトレーニングを2クールに分けて、ピークを2つ持ってくるイメージ。それが今のところ自分にあっていて経験的にも科学的にも理にかなっている」と話す

 この日は、雨が激しく降るなか、約80メートルの距離を全力で走るスプリント練習を繰り返し行うなど約1時間半、汗を流した。「(ローラースキーは)今までは腰がそった状態で乗り込んでいたものを後傾させる意識でやっている。20年くらいかけてかなり大きい力が出せるというところまで体を理解してきた」。進化を続け、大舞台で奇跡を起こしてみせる。(松末 守司)

 ◆五輪の日本勢の個人連続メダル 冬季は3大会連続が過去最高で2人。

渡部暁は14年ソチ、18年平昌の個人ノーマルヒルで銀。22年北京ラージヒルで銅メダル(団体は銅メダル)を獲得。スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢は14年ソチ、18年平昌で銀、22年北京で金メダルを手にした。夏は柔道女子48キロ級で00年シドニーから08年北京まで5大会連続でメダルを獲得した谷亮子。レスリング女子63キロ級で04年アテネから4大会連続金メダルの伊調馨。同女子55キロ級で04年アテネから4大会連続メダルの吉田沙保里らがいる。

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