◆フィギュアスケート サマーカップ 第3日(11日、滋賀・木下カンセー・アイスアリーナ)

 シニア男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が204・78点をたたき出し、合計289・72点で優勝した。2位の山本草太(MIXI)とは約58点差と、2022年北京五輪銀メダルの実力を存分に発揮した。

「フリーの方が自信があった。練習通りできたというのが率直な感想」と圧巻の演技を振り返った。

 オペラの名曲「トゥーランドット」に乗せ、冒頭から4回転サルコウを決めた。出来栄え点(GOE)は3・56点と高い加点。続く4回転―3回転の連続トウループでもGOEで3・48点を獲得。後半には06年トリノ五輪金メダルの荒川静香さんの代名詞である「イナバウアー」を披露し、会場からは大きな拍手が送られた。

 今後に向けてはSPの演技構成変更を示唆。次戦はチャレンジャーシリーズ、ロンバルディア杯(イタリア)を予定し、SPでの4回転フリップ挑戦も視野に入れる。父・正和さんに「今のお前なら、サルコウでも110点近いくらいのパフォーマンスができる」と背中を押され、練習でも積極的に取り入れているという。

 今季2戦目で圧巻の演技を披露したが、「自分の自信を持てる構成でやらなければいけない。もっと努力していきたい。「スタートラインにやっと立てた。

次は300点以上を。そこの域に達するには血のにじむような努力をしないと」と厳しく語った。目標は来年2月のミラノ・コルティナ五輪で金メダル獲得。鍵山の挑戦はまだ続いていく。

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