◆卓球 ◇WTTチャンピオンズ横浜 最終日(11日、横浜BUNTAI)
男子シングルスで、世界ランク4位の張本智和(トヨタ自動車)がチャンピオンズでは3年ぶり2度目の優勝を飾った。決勝で5月の世界選手権個人戦金メダルで同2位の王楚欽(中国)を4―2で破った。
ベンチに入った男子日本代表の岸川聖也監督は試合後、張本智と抱擁を交わし、喜びを分かち合った。世界王者からの白星を「話し合った作戦を実行できたのと、1ゲーム目競り合ったところでしっかり勝てて一気に3―0リードまで行けた。そこが一番の勝因だと思う」と振り返った。
王には7月の米国スマッシュ決勝で0―4の完敗を喫していた。岸川監督は「ノーチャンスで負けたので作戦は考えなきゃいけないというのはあった。試合前に2人でいろいろ話して、一番気を付けるのはサーブレシーブだなと思った」。今回立てた戦略は相手のサーブに対し、前半は張本智が得意とするチキータを極力使わず、フォアでのレシーブを増やすこと。相手がチキータを狙いにくいサーブを出すことの2点だ。「それがうまくいった。前回ノーチャンスで負けたので、思い切って作戦変更できたのはあった」と明かした。
張本智は王に対し過去2勝12敗。直近8連敗中だった。
日本初開催のチャンピオンズで男子は5選手が出場し、張本智が優勝、戸上隼輔(井村屋グループ)が8強と奮闘した。指揮官は「智和の優勝はもちろんうれしいし、戸上もベスト8に入った。松島(輝空)の成長も感じた。手応えはすごく感じた大会になった」。選手の活躍に目を細めつつ「すぐに(14日開幕)ヨーロッパスマッシュがある。あまり一喜一憂せずに1試合1試合頑張って、これを継続していければ」と力を込めた。