◆新日本プロレス「G1 CLIMAX 35」(10日、Gメッセ群馬)観衆2053人(札止め)

新日本プロレスは10日、群馬・高崎市のGメッセ群馬で「G1 CLIMAX 35」Aブロック公式戦最終戦を行った。

 大会前までの時点で10点(5勝3敗)で上村優也とEVILが首位タイ。

そのあとを8点(4勝4敗)で棚橋弘至、ボルチン・オレッグ、辻陽太、大岩陵平、カラム・ニューマン、デビッド・フィンレーの6人が追いかける混戦状態となっていた。

 セミファイナルで勝ち点10の「H.O.T」EVILと8点の棚橋が対戦した。前哨戦となった8・8横浜のタッグマッチで試合後に歴史的な握手を交わし「今までのことは抜きにして、正々堂々勝負しようじゃねえか。俺の闘魂、見せてやるよ」と改心を宣言したEVILは、セコンドも帯同せず言葉通り伝統的なグラウンドレスリングでクリーンファイトを展開した。

 ところが、棚橋のハイフライフローをEVILがかわすとディック東郷とドン・ファレが突入。さらにEVILは白い粉を棚橋に見舞うと、東郷、ファレが加勢しやりたい放題。改心は真っ赤なウソだったことを露呈し最後はEVILで棚橋を沈めた。

 来年1・4東京ドームで引退する棚橋にとって最後のG1は悪夢の結末になってしまった。2002年の初出場から23回出場した最強決定戦。07年に初優勝、15年と18年も制覇し今大会では前人未踏のG1通算100勝を達成した。万感を込めて2年ぶりに参戦した今年の夏だったがバックステージで大の字になり「G1……人生最後の『G1 CLIMAX』公式戦がこの終わり方は……ハァ、悔しいなあ」と言葉を絞り出し「そっかあ、もう俺の人生で『G1』に出ることはないのか……。結果は振るわなかったけど、ワガママ言ったかもしれないけど、今は『G1』出てよかったと思ってます」と明かした。

 さらに「長い過酷なシリーズの『G1CLIMAX』で、自分が何者であるか、引退が決まっている人間であっても、俺は自分自身、プロレスラーなんだっていうことを、心の底から思いました」とかみしめ「僕の夏は、終わりました。けど、これから決勝のリングに上がっていく選手の『G1』は終わりません。最後まで見届ける、盛り上げる、その気持ちは変わらないです。結果は振るいませんでしたけども、『G1 CLIMAX』、出られてよかったです。新日本の選手になったんなら、『G1』を目指してほしい。『G1 CLIMAX』優勝を目指してほしい。IWGP世界ヘビーも目指してほしい。そこに切磋琢磨が生まれて、新日本はこれからも、続いていきますから!」と涙ぐみ後輩たちの活躍を祈っていた。

 ◆8・10群馬全成績

 ▼第1試合 20分1本勝負

○石森太二、ドリラ・モロニー(7分26秒 Bone Lock)永井大貴●、鷹木信悟

 ▼第2試合 20分1本勝負

○ハートリー・ジャクソン、ザック・セイバーJr.(7分30秒 デスバレーボム→体固め)嘉藤匠馬●、YOSHI―HASHI

 ▼第3試合 20分1本勝負

ジェイコブ・オースティン・ヤング、○グレート―O―カーン(7分30秒 オーカーン流大空スバル式羊殺し)村島克哉●、海野翔太

 ▼第4試合 20分1本勝負

金丸義信、○成田蓮(6分25秒 クロス式膝十字固め)ロッキー・ロメロ●、KONOSUKE TAKESHITA

 ▼第5試合 『G1 CLIMAX 35』Aブロック公式戦 30分1本勝負

○ボルチン・オレッグ(5勝4敗=10点)(12分14秒 カミカゼ→体固め)タイチ(3勝6敗=6点)●

 ▼第6試合 同30分1本勝負

○SANADA(4勝5敗=8点)(10分26秒 体固め)大岩陵平(4勝5敗=8点)●

 ▼第7試合 同30分1本勝負

○辻陽太(5勝4敗=10点)(11分17秒 セブンティークロス→片エビ固め)カラム・ニューマン(4勝5敗=8点)●

 ▼第8試合 同30分1本勝負

○“キング・オブ・ダークネス”EVIL(6勝3敗=12点)(12分50秒 EVIL→片エビ固め)棚橋弘至(4勝5敗=8点)●

 ▼第9試合 同30分1本勝負

○デビッド・フィンレー(5勝4敗=10点)(23分01秒 オーバーキル→体固め)上村優也(5勝4敗=10点)●

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