今年でデビュー40周年を迎えた4人組バンド「TUBE」が23日、横浜スタジアムで夏恒例の野外ライブ「40th.Anniversary Live TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2025 TUBE×40SUMMERS」を行った。同所での単独公演は36回目で、自身が持つ最多開催記録を更新した。

 最高気温35度を超えた猛暑日の横浜を、今年もTUBEが熱くした。1曲目の「シーズン・イン・ザ・サン」で、3万4000人の観客は総立ちに。伸びのあるボーカルを届けた前田亘輝(60)は、夕暮れを背に「初めてここに立った頃、この時間には寒くて上着を着てました」と回想。「今は暑い暑い。赤いちゃんちゃんこを着た今年、ちょっとキツいです」と冗談で和ませた。

 「さよならイエスタデイ」「あー夏休み」など、アコースティックサウンドを織り交ぜながら硬軟自在の全23曲。ギターの春畑道哉(58)は「J’S THEME(Jのテーマ)」などソロで客席を揺らし、前田とともに今年還暦を迎えたベースの角野秀行(60)とドラムの松本玲二(59)も円熟の演奏を披露した。

 6日発売のアルバム「TUBE×」でコラボした大物も駆けつけた。同じ1985年にデビューしたロックバンド「聖飢魔2」とは初めて同じステージに立ち、「冬の女王」広瀬香美(59)とも6月の米ハワイ公演に続いて共演。巨大火柱や、約100トンの水を使ったド派手な演出でも沸かせた。

 前田はアンコールを締める際、ファンに向けて「36回もここで活動できたのは奇跡。君たちがいたから僕たちがいるんだな、といつも感じます」と感謝。

「そう遠くない未来、きっと『もうここまで』という時がくる。それまでは音楽を続けられたらなと思います」と語りかけ、温かい拍手を浴びた。

 来年3月からは横浜スタジアムに、ベイスターズを98年日本一に導いた権藤博元監督らと並んで、4人の手形プレートが掲出される。アーティストでは史上初だ。「前田調べによると、バンドという形で40年休まず続けている人たちはいない」というTUBEが、ずっと夏の風物詩であり続ける。(堀北 禎仁)

◆TUBEのセットリスト

シーズン・イン・ザ・サン

浪漫の夏

同じ空の下で

Smile

―花火―

Miracle Game

君となら

虹になりたい

ガラスのメモリーズ

最後のLove Song

春畑道哉ソロ WE PROMISE~FANTASIA~J’S THEME(Jのテーマ)

裸天女~Latin Girl~

海の家

傷だらけのhero

Only You 君と夏の日を

ジラされて熱帯

さよならイエスタデイ

Hot Night

No Shark No Surf―夏地獄―

ロマンス・イン・ザ・サン

AHH SUMMER DAY

あー夏休み

a song for love

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