◆第19回全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ

 「第19回全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ」が12日から17日まで行われた。東日本ブロックからは4チームが出場し、旭川大雪ボーイズが準優勝。

巨人がU15ジュニアユースとして創設し、最速2年目で出場の多摩川ボーイズは快進撃も準決勝で敗れ3位。飯野靖典監督が逝去した武蔵嵐山ボーイズは2回戦で、2度の優勝を誇る湘南ボーイズは初戦でそれぞれ敗退。優勝は世田谷西リトルシニアで、4度目の日本一に輝いた。

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 創設2年目、2年生以下で初出場した多摩川が快進撃で旋風を巻き起こした。

 準々決勝で春季全国大会優勝の愛知尾州を打ち破った。3回まで完全に抑えられた打線は4回に井端が左越え二塁打で出塁すると、小池が右翼フェンス越えの一撃。低反発バットで東京ドームと同規格のジャイアンツタウンで豪快アーチだ。

 中日・小池正晃2軍打撃コーチの次男・樹里は「調子が悪かったので、ヤスさん(片岡保幸監督=42)やお父さんにアドバイスをもらった」と、バットをやや寝かせた構えで快打した。均衡を破る一発が呼び水になったのか7回には打者2巡、20人の猛攻で13安打を浴びせ15得点で大勝した。

 準決勝の旭川大雪戦では、3回に4番・関主将の犠飛などで3点をリード。先発の原が4回まで零封したが5回に3連打など単打6本を浴び逆転を許した。小池は「相手の気持ちが強かった」と3年生の思いの強さを肌で感じた。

 片岡監督は「この大会を通じて成長してくれた。たくましく思いました」と総括した。ただ、地区予選で敗れた世田谷西リトルシニアに決勝戦でリベンジする夢は一歩手前でついえた。

 指揮官は「この悔しさが彼らの心にどう残るかだと思う」とも話していた。その言葉を知らないナインは涙に暮れながらも自主的に選手だけでのミーティングを申し出てロッカールームで意見をぶつけ合った。関主将は「この試合の反省をどう次につなげるか。忘れちゃいけない」と言い切った。井端は「必ずこのチームは日本一になれる」と言う。技術だけなく、心も強く―。多摩川ボーイズはまだまだ強くなる。

 ◇多摩川ボーイズVTR

 ▽1回戦(12日・大田スタジアム)

横浜都筑リトルシニア 002 120 0|5

多摩川ボーイズ    001 213 X|7

【横】皆谷、安藤、関川、長井―高山

【多】山口、池田夏、渡邉―関

[三]原、渡邉(以上多)[二]青羽、村山(以上横)

 ☆先発・山口は4回を3失点。打線は1点を追う6回無死二、三塁で渡邉が右翼線に逆転三塁打。

代打・藤森が四球を選び一、三塁から重盗を決め加点した。

 ▽2回戦(13日・浦安市運動公園野球場)

武蔵嵐山ボーイズ 000 001 0|1

多摩川ボーイズ  130 301 X|8

【武】下山、周東―志保田

【多】原、小山―関

[三]藤森、関(以上多)[二]堀之内、小林(以上多)

 ☆初回に4番・関の適時打で先制。2回には堀之内の適時二塁打などで3点、4回には関の左中間三塁打などで3点を加えた。投げては原が最速135キロをマークし5回1安打無失点。

 ▽準々決勝(14日、ジャイアンツタウンスタジアム)

多摩川ボーイズ  000 200 15|17

愛知尾州ボーイズ 000 100 0 |1

【多】渡邉、山口、池田夏―関

【愛】小川、神谷、板野、島田、鷲見、中村―向島

[本]小池(多)[三]藤森、川島(以上多)[二]井端、和田、小池(以上多)

 ▽準決勝(16日・大田スタジアム)

多摩川ボーイズ  102 000 0|3

旭川大雪ボーイズ 000 041 X|5

【多】原、山口―関

【旭】樽井、前田―市川

[二]小池(多)

 【多摩川ボーイズ・登録メンバー】※は主将

 ▽2年生 関蓮太郎、井端巧、藤森輝、小山哲慎、岡野美志、原悠翔、小池樹里、阿部成真、小林航、川島悠士朗、山口裕海、堀之内拳、渡邉颯音、小貫奏瑠、池田壮希、和田拓人、増田球太、薄田翔太、佐藤善人

 ▽1年生 池田夏唯

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