巨人のファーム選手の今を伝える「From G」。第14回はドラフト2位・浦田俊輔内野手(23)。
浦田の脳裏に残るのは、自身の狙いを見抜かれた苦い経験だ。3月28日のヤクルトとの開幕戦(東京D)。5回先頭、戸郷の代打でプロ初打席を迎えた。奥川―中村悠のバッテリーに初球から3球フォークを続けられ、二ゴロに打ち取られた。
「直球に張っていたけど、全部変化球で裏をかいてきた。捕手が(狙いを)読んでいて、『これが1軍か』と思いました。球の質などが(2軍と)すごく変わるとは思わなかったですが、配球や考え方は違うのかな、と。1軍は裏の裏の裏をかいてくる」
1軍では8試合に出場して11打数1安打。打席での駆け引きは、経験に左右される割合が大きい。
「一番聞くことが多いのは長野さん。自分が『え~!』と思った時には聞くようにしています。配球の面だったり、1打席目に安打が出た後の2打席目の考え方などは教えていただきました。配球面で言っていたことが、本当に来ることが多いのでありがたいです」
5月中旬に登録抹消後、一時は2割2分台に落ち込んだ打率も2割8分1厘まで上昇。「1番・二塁」で先発した24日のイースタン・日本ハム戦(鎌ケ谷)では、初回先頭で右前安打を放つと、2回2死二、三塁では左前へ決勝の2点適時打。長野からの教えを生かし、どちらも直球を捉えた安打だった。
「(長野さんから)1打席目に打った次の打席は、同じボールが来やすいよと教えていただいた。3球に1球は来るだろうという気持ちで入って、狙い球が来たのでそのまま打てました」
武器である足でも、イースタン・リーグ2位の18盗塁をマーク。再び1軍で戦うための準備は進んでいる。
「前半戦ではめちゃめちゃ悔しい思いをした。技術も大事ですけど、気持ちがついてこないと(結果は)出せない。
◆浦田 俊輔(うらた・しゅんすけ)2002年8月30日、長崎市生まれ。23歳。小学1年から大村クラブで野球を始め、長崎・海星では2年夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入りし、通算打率3割9分2厘、37盗塁で3度の盗塁王。好きな色は黄色。171センチ、67キロ。右投左打。