◆プロボクシング ▽WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・高田勇仁―同級2位・松本流星▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―同級1位クリスチャン・メディナ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座統一戦12回戦 統一王者・井上尚弥―WBA暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(9月14日、愛知・名古屋市 IGアリーナ)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(29)=大橋=に挑戦する同級1位クリスチャン・メディナ(25)=メキシコ=が4日早朝、来日した。

 メキシコ・モンテレイから成田空港まで約14時間の長旅の疲れも見せず、ラファエル・グスマン・トレーナーや母ラウラさんらとともに日本の地を踏んだメディナ。

「グスマン・トレーナーのもと、3か月間、練習を積んできた。武居は非情にパワフルなチャンピオン。どんな展開にも対応できるようにしてきた。私たちは勝つために来た。チャンピオンになるために来た。衝撃的な試合をやる」と意欲を示した。パワー強化、スピード強化、疲労抜きしながら緊張感を持っての練習と1か月ごとにテーマを決めて練習を重ねたという。

 メディナは、身長165センチの右ボクサーファイター。2017年12月にプロデビュー(1回TKO勝ち)し、21年11月にWBCユース王座、24年11月にWBOラテン王座などを手にした。2023年8月には前IBF王者・西田凌佑(六島)と挑戦者決定戦で対戦し、判定負けも、その後は4連続KO勝ち中だ。昨年夏からは、WBA&WBC1位の那須川天心(帝拳)のスパーリングパートナーを3度、つとめてきており、日本でも名を上げてきた。

 「今回で5度目の来日。

(帝拳ジムの)本田明彦会長によくしてもらったし、日本人ともいい関係を作っており、日本はホームだと感じている。天心とはスパーリングをしたが、帝拳ジムではリク(日本バンタム級王者の増田陸)、スバル(WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者の村田昴=)ともスパーリングをした」とメディナ。サウスポー相手に実戦練習を重ねてきており、「武居に似ているのはリク」という。拠点とするメキシコ・グアダラハラでは、強化合宿中だったWBA世界バンタム級休養王者・堤聖也(角海老宝石)とも4~5ラウンドのスパーリングを行ったそうで、スイッチする世界王者相手に「いい調子だった。この経験があって、このカテゴリーで戦える」と自信がついたという。

 ニックネームは「CHISPA(スペイン語で火花)」。12歳から指導してきたというグスマン・トレーナーは「大きな火をつけるには火花が必要だからね。武居よりもスピードはあると思う」とニヤリ。chispaには転じて「才知」という意味があるそうで「彼はchispaの通り、学ぶのが速い。ボクシングのことをよく分かっており、戦い方も分かっている。切り替えの速い選手だ」と力を込めていた。

 戦績は武居が11戦全勝(9KO)、メディナが25勝(18KO)4敗。

 試合はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で無料配信される。

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