日本体操協会は4日、都内で臨時理事会を開き、新体操の行き過ぎた指導問題を巡り去就が注目されていた村田由香里強化本部長の処遇を協議し、続投することが決まったと発表した。
5月にゼネラルマネジャー(GM)に就任した水鳥寿思ハイパフォーマンスディレクター(HPD)はGMを退任し、アシスタントマネジャーに就任していた山崎浩子前強化本部長も退任。
2月に選手の一部が合宿を抜け出すなど監督不行き届きを理由に村田氏を厳重注意した上で5月に続投を決めたが、一方で協会は水鳥氏を強化体制を監督するためにGMに就任させ、山崎氏をサポート役に加えるなど、指導体制の改築に努めた。その成果を8月下旬の世界選手権後に検証し、改めて去就を検討するとしていた。
協会は世界選手権後に暫定組織査定会議を設置し、「競技力」、「選手らとの関係性」、「将来性」の観点から総合的に判断した。世界選手権では日本史上初となる団体金メダル、リボンで銀メダルを獲得するなど大きな成果を上げた。また、選手との対話を重視し、コミュニケーションを図ることで信頼関係が向上し、将来的な組織運営力を踏まえ、続投は妥当と判断した。 また、8月上旬に第三者機関が続投することに対して「特段の問題点は見当たらない」としたことなども判断の根拠の一部となった。
続投が決まった村田氏は、「このたび、理事会の承認を経て、引き続き強化本部長を務めさせていただくこととなりました。ここに至るまで支えてくださった多くの皆さまに、心より感謝申し上げます。改めて、大きな責任を担う立場として身を引き締め、挑戦を続ける選手たちのために、そして日本の新体操界の発展のために尽力できるよう、より一層誠心誠意努めてまいります。今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます」とコメントした。