プロレスリング・ノアの最強戦士決定戦「N―1 VICTORY 2025」が8日に後楽園ホールで開幕する。
今年で7回目を迎える「N―1」は、全16選手が参戦。
今大会の台風の目は、初参戦するOZAWAだ。昨年秋に英国での武者修業を終え凱旋。清宮海斗が率いる「ALL REBELLION」に加入も11・17愛知県体育館大会で衝撃の反旗を翻し反体制ユニット「T2000X」へ電撃加入した。そして今年元日の日本武道館で清宮を破りGHCヘビー級王座を奪取した。
王者となってからは、昨年まで閑古鳥が鳴き続けた後楽園大会を前売り完売、ほぼ超満員札止めにするなど団体の救世主になると同時に今年のプロレス界の中心に君臨した。GHCは7月に拳王に敗れ陥落。それだけにN―1が逆襲の舞台となる。スポーツ報知は、OZAWAを独占直撃。勝負の秋への思いを激白した。
4日に配信した前回のインタビューでは、プロレス界の道場の闇などを暴露した。ベルトを失った今、自らの発言が正しいことを証明するためにも「N―1」初出場初制覇は絶対条件になる。
「このN―1って俺としては手段でしかないよ。俺が日本一のプロレスラーになるための通り道だね」
今年の活躍で一気に「日本一」の座へ駆け上がったかと思うが現在の「OZAWA現象」を冷静に受け止めていた。
「例えば、今、プロレスファンに『日本一のレスラーって誰ですか?』って聞いた時に『OZAWA』って答える人はまだそんなにいないと思う。その次元にならないと日本一とは呼べない。今の俺は、ただ一個のムーブメントを起こしただけに過ぎないレスラーだよ。だからこそ『N―1』でも結果を出して日本一のレスラーになる足がかりを作る」
現状を「一個のムーブメント」と冷静に受け止めたが、あの元日の武道館からの人気爆発は、ここ数年のプロレス界にはなかったまさに「OZAWAショック」だった。ファンのハートをつかんだ理由を尋ねた。
「そこは、タイミングだったね。運が良かったとも思う。それまでのノアって泥船采配によって清宮海斗という人間を無理やりトップにずっと据え続けたわけだよね。清宮海斗がずっとチャンピオンだったんだけど、彼自身の中身がないことが、もうそろそろめくれ始め、ファンもずっと付いてこない段階で俺が清宮海斗を倒したんだ。そのことによってそれまでファンの中でたまっていたストレスが『やっとノアは変わる』『変わった』って解消されたってことだったと思う」
さらに、こう分析した。
「元日の武道館の前段階から清宮海斗の暴露を含めてかなりヘイトを集めてきて、注目を浴びきった上で最後、大技を決めて期待に応えたことも大きかったと思う。ファンの中では、一方で心のどこかで『これで失敗したら大変なことになるぞ』という失敗しろっていう俺にとっては、悪い意味でのワクワク感とかもあったはず。それも俺は裏切ったっていうことだな」
T2000Xに加入した理由も明かした。
「俺はまず、イギリス遠征を謳歌(おうか)していたんだよ。しばらくイギリスにいるつもりだったんだけど、清宮海斗が『帰ってきて仲間に入れ』と言われて、それはお願いというより命令だったから逆らえなかった。それで帰国がその時点で決まって『ALL REBELLION』にとりあえず入るしかなかった。まぁ、入ることでこの泥船の内部事情…清宮海斗について、よりよく知れるのかなとも思ったんだけど、そもそも入るつもりはなかったから、入った段階でも裏切ることは決めてたんだよ。そのタイミングがたまたま、あの名古屋だったってこと」
そして元日に清宮を破ってGHCを奪取。わずかデビュー2年目での最高峰に重圧はなかったのだろうか。
「プレッシャーはまったくなくて…ギャンブルやるんだけど、まぁまぁの大金かけてやるから、それでメンタル鍛えられた。俺は、プロレスに限らず人生自体が運で構成されてると思っている。だから、現段階では運は俺に寄ってきているかな」
迎えるN―1。
「方舟の天才と言われて来た男だけど、KENTA戦でだいぶ年取ったなってみんな感じたはずだよ。だから今は天才ですら何でもない。ただのおじいちゃん。おじいちゃんだからケガしちゃう。だから、長い試合は無理。早めに終わらせてあげてようかなって考えてる。勝つことは確定しているからケガをさせないように慎重にプロレスをしてあげたい」
丸藤は8・16後楽園でKENTAのGHCに挑戦した。30分を超える熱闘の末、敗れたがファンは高い評価を与えた。この試合をOZAWAは一刀両断に切り捨てた。
「あの試合っておじさん同士がもみ合っているだけ。エモイって便利な言葉があるけど、それで片付けられているけど内容だけ見たらひどかった。
前回のインタビューで暴露したノア道場の闇は丸藤なのだろうか。
「基本的に彼は道場にあまり来ないから知らない。だから正直、丸藤正道がノアで過去どういう指導をしてきたかはわからない。でも、確実に丸藤の下の世代は育っていない事実はある。だって、25年間で18人ぐらいしか生え抜きがいない。丸藤正道がどの段階で指導してたのか知らないけど、それだけ生え抜きが少ないのは何らかの原因がある。その一端を彼が担っていたことは間違いないだろうね」
9・17エディオンアリーナ大阪第2競技場では、7・19後楽園でGHCを奪われた拳王との再戦が待つ。前回の対戦では、拳王の超卍蹴りを顔面に受け失神。レフェリーストップで敗れた。
「アイツにGHCとられたけど、取られる理由が塚越レフェリーがまだ戦えるのにもかかわらず試合を止めた。つまりはヤツは拳王に買収されていたってこと。今回の試合の問題は、塚越をどう攻略するか?塚越が裁くなら拳王が提示した額の2倍を払って買収仕返す」
そして、大会中の9・15熊本城ホールシビックホール大会は、デビュー3周年の記念日を迎える。
「デビュー3周年の記念なのに公式戦がないのが意味わからない。これがノアの闇だ。デビュー3周年興行とプロレスリング・オザ旗揚げをやりたいな」
ノアは旗揚げ25周年を迎えた。最後に創始者の三沢光晴さんへの思いを聞いた。
「三沢さんがいなかったら『OZAWA』は誕生していない。なぜならプロレスリング・ノアという団体がないからね。そういう意味でリスペクトの心はある」
(福留 崇広)
◆N―1参戦選手
【Aブロック】
KENTA
清宮海斗
征矢学
佐々木憂流迦
藤田和之
遠藤哲哉
マサ北宮
ダガ
【Bブロック】
ガレノ
丸藤正道
拳王
稲葉大樹
ジャック・モリス
晴斗希
リッキー・ナイトJr.
OZAWA
◆OZAWAの公式戦日程
▼9・8 東京・後楽園ホール
OZAWA vs 丸藤正道
▼9・11 岡山・岡山コンベンションセンター
OZAWA vs 稲葉大樹
▼9・13 広島・広島産業会館 東展示館
OZAWA vs 晴斗希
▼9・14 福岡・アクロス福岡イベントホール
OZAWA vs ガレノ
▼9・17 大阪・エディオンアリーナ大阪第2競技場
OZAWA vs 拳王
▼9・21 栃木・ライトキューブ宇都宮
OZAWA vs ジャック・モリス