歌手の橋幸夫(はし・ゆきお、本名・橋幸男=読み方同じ)さんが4日午後11時48分、肺炎のため都内の病院で死去した。82歳だった。

所属事務所「夢グループ」の石田重廣社長は、今月1日のトークショーで「橋さんにひと言、発せさせる。それが僕にとっての夢です」と話していたが、かなわなかった。

 橋さんは今年5月、22年にアルツハイマー型認知症を発症していたことを公表。石田社長によると、橋さんは5月末に一過性脳虚血発作で緊急入院するも、6月11日に滋賀のコンサートでステージ復帰。同13日に再入院し療養していたが、今月1日に血圧が急に下がり危ない状態に。4日午後に石田社長が見舞った際には数値も戻ったというが、同日夜に再び体調が急変。石田社長も駆けつけたが間に合わず、最期は妻にみとられて生涯を閉じたという。

 石田社長は今月1日、6月13日から橋さんが入院していたことを公表した際、数回お見舞いに訪れたが「僕の顔も忘れる。言葉も忘れる。『橋さん』と呼びかけても、大きないびきをして、寝てばっかり。顔も橋さんの顔じゃない」と説明していた。

 8月末に見舞った際は90分、話しかけたという。

手をつないでみたが「僕の手を追い払った。目を開けて、ずっと僕の顔をにらみつけて、口をモグモグして何かを言いたそうにしていた」と橋さんが反応。「橋さんは生きています。そして、脳以外はすごい元気です」としていたが、再び一緒のステージに立つ夢はかなわなかった。

編集部おすすめ