昭和の青春歌謡スター「御三家」の一人で、「潮来笠」や「いつでも夢を」などのヒット曲で知られる歌手の橋幸夫(はし・ゆきお、本名・橋幸男=ゆきお)さんが4日午後11時48分、肺炎のため都内の病院で死去した。82歳だった。

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 橋さんは本業の歌だけでなく、プライベートでも多くの注目を集めた。

 1971年に客室乗務員の女性と結婚。2人の子どもをもうけ、妻もメディア活動をするなど、おしどり夫婦として知られた。46年連れ添ったが、2017年末に電撃離婚。同時期に一般女性(真由美夫人)と再婚していたことが一部週刊誌で報じられ、熟年離婚からのスピード再婚は大きな話題を呼んだ。また、認知症となった実母の介護体験をつづった著書「お母さんは宇宙人」(1989年)はベストセラーとなり、ドラマ化された。

 好奇心旺盛な性格。晩年は「夢グループ」の石田重廣社長と共に、積極的に情報を発信した。21年10月に喉の衰えを理由に歌手活動からの引退を正式発表(のちに撤回)した後も、「2代目・橋幸夫」のオーディションを企画するなど、度々メディアに登場した。

 晩年、音楽活動の傍ら取り組んだのが書画だった。22年に京都芸術大通信教育課程美術科の「書画コース」に入学。オンラインで書や水墨画などを学び、個展を開くほどだった。

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