◆第60回札幌2歳S・G3(9月6日、札幌競馬場・芝1800メートル、良)
第60回札幌2歳S・G3は6日、札幌競馬場で行われ、1番人気のショウナンガルフがデビュー2連勝で重賞初勝利。手綱を執った池添謙一騎手(46)=栗東・フリー=は、JRA重賞通算100勝を達成した。
確かな手応えに喜びを抑えきれなかった。デビュー2連勝でショウナンガルフを重賞初制覇に導いた池添は、ファンの歓声で沸くスタンドを見渡して、検量室に引き揚げる前に立ち止まってガッツポーズをつくった。来春への楽しみが広がる重賞Vで、自身は史上12人目、現役7人目となるJRA重賞通算100勝。98年3月1日の初騎乗から27年6か月6日での達成だ。「オーナーにはたくさん良い馬に乗せていただきお世話になっていますし、しっかり区切りの勝利をすることができてうれしく思います」と感謝でも胸が熱くなった。
能力の違いを見せつけた。そこまでスタートは速くなく、出たなりで後方に構えた。前半1000メートル通過62秒6のスローペースで、逃げたジーネキングが2着と粘れた展開。4角9番手から豪快に追い込んだのは見事だった。鞍上は「けっこう外を回す形になったが、素晴らしい脚を長く使ってくれて、しっかりしたポテンシャルを見せてくれた」と声を弾ませた。
札幌2歳Sで歴代最多となる5勝目を挙げた須貝調教師も「あの位置からよく来たよね」と非凡な決め手に驚きを隠さない。これまで21年の桜花賞などG1・3勝を挙げた白毛馬ソダシや、今年のNHKマイルC2着馬マジックサンズが、このレースの勝利をステップに飛躍を遂げたが、「(管理した過去の優勝馬と)遜色ないと思うし、ちょっと上だと思う」と、素質の高さにうなるほどだ。
今後はひとまず放牧に出して、馬の成長具合などを見ながらローテを考えていく方針だ。鞍上が「次の舞台に進んでいけると思う」と言えば、指揮官も「クラシックを意識して」と期待を膨らませる。名門厩舎期待の若駒が大きな一歩をしるした。(坂本 達洋)
◆ショウナンガルフ 父ハービンジャー、母ミカリーニョ(父ハーツクライ)。栗東・須貝尚介厩舎所属の牡2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は3892万7000円。重賞初勝利。馬主は国本哲秀氏。