◆第70回京成杯オータムハンデ・G3(9月6日、中山競馬場・芝1600メートル、良)

 サマーマイルシリーズ最終第4戦の第70回京王杯AH・G3は、13番人気のホウオウラスカーズ(木幡巧)が内から差し切ってV。秋の中山開催は大波乱の結果で幕を開けた。

 Vロードは芝がきれいに生えそろったラチ沿いだった。初コンビのホウオウラスカーズに、木幡巧は「脚を使うとは聞いていたので、それを信じて」と道中インで末脚を温存。直線は馬群を縫うように前に迫り、最後は最内に飛び込んで2着のドロップオブライトを抜き去った。

 最内枠に52キロのハンデ、鞍上の好騎乗とすべてがかみ合った勝利。13番人気で3連単93万4100円の高配当を演出した。鞍上は「行くところがなかったのもあるけど、うまくさばけて良かった」と充実した表情を見せれば、高木調教師も「斤量も枠も展開も良かった。うまく乗ってくれた」と破顔一笑で喜んだ。

 木幡巧にとってはミライヘノツバサで制した20年ダイヤモンドS以来、5年ぶりの重賞制覇。「勝つのは気持ちがいいですね。チャンスをいただいた関係者に感謝したい」と心地よく汗をぬぐった。

 暑さに強い牝馬の大金星。木幡巧は「年齢的に上積みがあるわけではないかもしれないけど、状態を維持していけば、また拾えるレースがあると思う」。

32戦目で待望の重賞タイトルを手にした7歳牝馬が、今後も想像以上の走りを見せる。(浅子 祐貴)

 ◆ホウオウラスカーズ 父ディープインパクト、母ビーコンターン(父シャマーダル)。美浦・高木登厩舎所属の牝7歳。北海道新ひだか町の岡田スタツドの生産。通算32戦5勝。総獲得賞金は1億2977万8000円。重賞初勝利。馬主は小笹芳央氏。

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