関東大学ラグビーは13日に開幕する。昨季対抗戦王者の早大はフッカー清水健伸(3年)が8日、取材に応じ「全勝で優勝」と、2連覇と日本一を誓った。
風格漂わせ、清水はたぎる思いを口にした。対抗戦で17季ぶりに全勝優勝しながら、大学選手権で準優勝に終わった昨季。新たなシーズンに向けた言葉はシンプルだった。
「全勝です。対抗戦も選手権も、全勝で優勝したい。負けるのは、嫌なので」
2番を背負う3年生。昨季は、主将の佐藤健次(現埼玉)ら上級生が立ちはだかり、ポジションは奪えなかった。先輩が引退し、FWの要に成長。大田尾竜彦監督(43)も「早稲田の中で、頭一つ抜けた存在」と言うまでになった。
「フッカーはFWの中心で、自分は3年生なので視野が広く持てる学年。
そのリーダーシップは、トップカテゴリーのHCすらうならせる。この春、U23日本代表の豪州遠征で主将に。「次のW杯で、主将となるポテンシャルは十分ある」と評価したのは、日本代表のジョーンズHCだ。遠征前、合宿で指揮官に食らいついた姿が評価された。
「練習中に疲れてよくない抜かれ方をして注意され、修正できずに『もういい』と、練習が中止になったことがあった。その時、チームの意見をまとめてエディーさんに『もう一回、やらせてください』と言いに行って。そういう所をみてもらったのかなと。皆は行きたがらなかったけど、時間ももったいないので」
今季こそ日本一になった時だけの第2部歌「荒ぶる」を歌う。
「チームとしてはしっかりとつながっていく。個人的には、(チームを)支える柱になりたい。まだまだ、今は地震が来たら倒れそうな柱なので。絶対に倒れない、柱になりたい」
筋の通ったリーダーシップで4年生を支えていく。
◆清水 健伸(しみず・けんしん)2004年12月27日、東京・江東区出身。20歳。父の影響で小学5年から江東ラグビースクールでラグビーを始め、ワセダクラブを経て国学院久我山高に進学。フッカーとなり3年時は主将を務め、全国高校ラグビーは16強。高校、U20、U23日本代表。早大ではフッカーとして活躍。178センチ、96キロ。
◆早大の2024年度VTR フッカー佐藤健次主将が引っ張る早大は、対抗戦を2007年以来17季ぶりに7戦全勝で終え、6季ぶり24度目の対抗戦優勝を達成。100回目となった伝統の「早明戦」も27―24で制した。全国大学選手権では、決勝で帝京大に15―33で敗れて5季ぶりの優勝を逃した。