学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(10月13日、島根・出雲市=6区間45・1キロ)の組織委員会は、米国のアイビーリーグ選抜チームの挑戦を支援するクラウドファンディングを始めた。

 アイビーリーグは米国北東部の8大学(ハーバード大、ブラウン大、コロンビア大、コーネル大、ダートマス大、ペンシルベニア大、プリンストン大、イェール大)の総称で、いずれも世界有数の名門私立大。

出雲駅伝では1998年からアイビーリーグ選抜を招待し、台風による大会中止、新型コロナウイルスの影響を除き、今年で25回目の出場。13日に開幕する東京世界陸上男子1万メートルに米国代表として出場するグラハム・ブランクス(23)=ハーバード大=も出場予定。ブランクスの1万メートル自己ベスト記録は26分57秒30。日本記録(27分9秒80、塩尻和也)を大きく超える世界トップクラスのランナーだ。

 昨年、アイビーリーグ選抜は過去最高の5位と躍進。存在感を示した。しかし、今年は当初、航空券代や物価のため、招待出場が危ぶまれる事態が発生していたという。最終的に参加が決まったが、招待にかかる費用の一部を補填(ほてん)するため、クラウドファンディングを実施。公式サイトでは「出雲駅伝組織委員会はクラウドファンドで費用を補填(ほてん)してチームの招待を継続することで応援したいと考えます」と協力を呼びかけている。

 第一目標は100万円(目標達成に必要な活動費用)、第二目標は300万円(チームの滞在費、移動費等)。期間は、すでに9月9日から始まっており、出雲駅伝の1週間後の10月20日まで。アイビーリーグ選抜チームは「世界レベルの文武両道」。

公式サイトでは「アイビーリーグ選抜チームを起点に駅伝文化が世界に広がっています。今後も日本の素晴らしい駅伝文化を出雲から世界に発信し続けていきたいと考えます」などと参加の意義を説明した。

 出雲駅伝は6区間45・1キロの超スピード駅伝。昨季、出雲と全日本大学駅伝を制した国学院大、箱根駅伝優勝の青学大、3大駅伝すべて2位だった駒大、今季戦力が充実している中大、早大、創価大を中心に激しい優勝争いが展開されそうだ。

 そして、優勝争いを左右しそうな意外なチームがアイビーリーグ選抜だ。1区に1万メートル26分台のブランクスを投入すると、スタートからハイペースで展開されることが予想され、各校は1区に起用する選手や戦略が重要になる。出雲大社前のスタートからスリリングな戦いが期待される。

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