女優の見上愛と上坂(こうさか)樹里がダブルヒロインを務める、2026年度前期のNHK朝の連続テレビ小説「風、薫る」の追加キャスト10人が13日に発表された。主人公・りん(見上)の良き相談相手役で「Aぇ!group」の佐野晶哉が朝ドラ初出演。

また勝海舟役の片岡鶴太郎など、アイドルからベテラン俳優まで幅広いキャストが顔をそろえた。

 佐野晶哉が演じるのは、りんの良き相談相手である島田健次郎。新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深いキャラクターだ。近年、俳優として活躍の場を広げる佐野は、初めての朝ドラ。「6年前、僕が所属するAぇ!groupを結成した当時から、ばあばに『まぁはいつ朝ドラに出るんや?』って急かされていました。「ばあば、まぁ朝ドラに出るよー!」叶えられてよかった。親孝行おばあ孝行できます」と喜びのコメント。また「たくさんの方から長年愛されてきた朝ドラに、『風、薫る』に出演できることを心から光栄に思います。明治という激動の時代を強く生きるシマケンは時代を象徴するようなキャラクターです。少しの希望も溢(こぼ)さないように、皆さんの朝に温(ぬく)もりの風が吹くように、一瞬一瞬を大切に作品と向かい合いたいと思います」と意気込んだ。

 歌舞伎俳優坂東彌十郎も朝ドラ初出演が決定。日本橋で舶来(はくらい)品などを手広く扱う「瑞穂屋」を営む清水卯三郎役だ。

坂東は「脚本を読ませていただき、明治を生きた清水卯三郎という人物にとても興味を持ちました。時代の移り変わりを読みながら独自の考えを持ち、主人公たちに独特な表現で伝えていく。今からワクワクしております」とコメントを寄せた。

 片岡鶴太郎は「チョッちゃん」「春よ、来い」「梅ちゃん先生」「とと姉ちゃん」「ちむどんどん」に続く6度目の朝ドラ。坂東演じる卯三郎とは旧知の仲で、瑞穂屋に時折ふらっと現れる…という勝海舟を演じる。片岡は「江戸時代の活躍を描いた勝海舟の姿は多く観(み)られますが今回は明治期の勝海舟に焦点が当てられます。今まで観た事の無い明治期の勝海舟を私が新たな勝海舟を創り演じて参ります」と楽しみにしていた。

 他にも、小日向栄介役の藤原季節、槇村太一役の林裕太、柳川文役の内田慈、松原喜介役の小倉史也、大家トヨ役の松金よね子、大家キク役の広岡由里、大家嘉平役の春海四方の出演が発表された。

 114作目となる朝ドラ「風、薫る」は、まだ女性の職業が確立されていなかった明治時代に、正式に看護学を学んで「トレインドナース」となった、大関和さんと鈴木雅さんがモデル。女優の見上愛と上坂(こうさか)樹里がダブルヒロインを務める。見上は不運が重なり、若くしてシングルマザーになった看護師・一ノ瀬りん役。上坂は、生まれてすぐに親に捨てられ、教会で育った大家直美役。

2人のヒロインが登場する作品は08年後期「だんだん」以来となる。

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