JRAは9月13日、9月6日の札幌5R・2歳新馬(芝1500メートル=10頭立て)に出走予定だったテーオーレックス(牡、栗東・岡田稲男厩舎、父サートゥルナーリア)が、同厩舎のヒエンジョー(牡、父ジャスタウェイ)と取り違えていたことが装鞍所入所時に判明して競走除外となったことについて、JRAの確認ミスが原因であったことについて説明と謝罪を行った。この日の午前中にJRAは岡田調教師へ説明と謝罪を行い、同調教師には落ち度がなかったため制裁は科されないとした。
両馬は8月9日の午前8時24分に外部の牧場から札幌競馬場の検疫厩舎に到着した後、何らかの原因で入れ替わって馬房に入っていたことが調査により判明した。そして同日午前10時のJRA担当職員による個体照合を行った際、上記の2頭が指定された馬房に入っているものと誤認したまま個体照合を行ったことが原因という。
検疫厩舎入厩時に2頭が入れ替わって馬房に入ってしまったとしても、JRAの担当職員による各馬の健康手帳(正式名称は「馬の検査、注射、薬浴、投薬証明手帳」)に記された流星などの特徴項目を確認することなどでミスを防げたはずが、健康手帳の当該馬の情報と各馬房に記載の情報の一致を確認していなかった可能性など、ヒューマンエラーが重なった結果、取り違えに気がつかないまま調教を行い、レース当日を迎えてしまったという。なお、両馬が札幌競馬場で合格したゲート試験の結果については、再試験の必要はないとした。これまでJRAで確認できる事例では、他馬との取り違えは今回の件で4件目となるが、JRAのミスによるものは初めてという。
当初、JRAは入厩検疫所から取り出す際に取り違えた可能性が高いとしていたが、その後の調査でJRA側によるミスが原因と明らかになった形だ。中山競馬場で説明を行ったJRAの伊藤幹馬事担当理事は「過去の事例からかんがみましても、考えられる原因等につきまして見解をお伝えして本会のミスはなかろうということで説明させていただきましたが、その後、本会の調査によりましてミスが確認できたということでございます。当該馬の関係者、お客様やメディアの皆様に深くおわびを申し上げたいと思います」と謝罪した。今後は確認作業の徹底により、再発防止に努めていくという。また今回の入厩検疫に携わったJRAの役職員に対して、厳正な処分を検討しているという。